水沢節(すいたくせつ)

六四卦の六〇番目に位置するのが、水沢節(すいたくせつ)です。兌卦☱(だけ)の上に、坎卦☵(かんけ)が乗っかっている形になります。

上卦は、坎卦(かんけ)です。坎卦は、陰爻に陽爻が挟まれた形で、家族の中では、次男を表し、八卦においては、水を表しています。

下卦は、兌卦☱(だけ)です。兌卦(だけ)は陽爻を下に陰爻を上に据えた卦で、家族においては 末娘 三女を表して八卦においては、沢を表します。

三女という「沢」の中に、二男という「水」が注がれている情景です。しかし、沢に水が入りすぎれば溢れてしまい、少なすぎれば干上がってしまいます。そこで必要になるのが「節(ふし)」、すなわち節度なのです。

この卦が語る愛の物語は、**「相手を想うからこその控えめな作法」**です。

家族の間でも、良かれと思って注ぎすぎる愛は、時に相手の負担(氾濫)になってしまうことがあります。二男の情熱を、三女の喜びという器に合わせて調整すること。それが「節」の教えです。

竹には「節」があるからこそ、高く伸びても折れることなく、しなやかに風を受け流すことができます。家族の愛も同じです。言いたいことをすべてぶつけるのではなく、あえて言わない優しさを持つこと。近づきすぎず、遠ざかりすぎない距離を保つこと。その「節」があるからこそ、家族の絆はしなやかで強いものになります。

節とは

「節」という字は、竹の節を表します。 愛の作法における「節」とは、**「リズム」**と言い換えることができるでしょう。

呼吸に吸う息と吐く息があるように、愛にも「与える時」と「見守る時」の拍子が必要です。このリズムが整ったとき、家庭の中に美しい調和のメロディが流れ始めます。

想像してみてください。 三女が守る清らかな湖のほとりに、二男のように真っ直ぐ伸びた竹林が広がっています。 水は溢れることなく、竹の節は風に音を奏でます。 そこには「ほどよさ」という名の、至福の安らぎが満ちています。

水沢節(すいたくせつ)のイメージ

節。亨。苦節不可貞
「節」の時、通じる。度を超した節度はすべきでない

「節」は、竹の節
竹は節を伸ばしながら大きく育ち、上に伸び大きくしなります。その根は、地中の中に根を張って、節の部分から、次の竹を伸ばし、水の豊富な土壌をしっかりと固定します。竹のしなりには限界がないのかと思われるほど曲がりますが、やはり節度を超えると折れてしまいます。ほどなくしなるが、節度を持たなければなりません。肉体の限界はいずれ精神をむしばみます。節度をもって生きることをこの卦は示しています。

水沢節(すいたくせつ)の六爻


水沢節(すいたくせつ)の六爻は、下から順番に、初爻、二爻。三爻、四爻、五爻、六爻の並びが、初陽、二陽、三陰、四陰、五陽、上陰と並んだ状態を、水沢節(すいたくせつ)といいます。


六爻の位置は社会的位置を表しています。 初爻は庶民、二爻は士、三爻は大夫(たいふ)、四爻は公卿(こうけい)五爻は、君主、上爻は隠居した君主、あるいは知識人となります。

上陰 苦節(くせつ)。厳しすぎる節制は、自分も相手も苦しめます。愛には「ゆとり」も大切です。

五陽 甘節(かんせつ)。自ら進んで喜びを持って節度を守る。その姿が周りに幸せを広げます。

四陰 安らかに節す。無理のない、自然体で穏やかな節度。これが最も美しい姿です。

三陰 なきときは嘆く。自分勝手な振る舞いは、後に自らを苦しめることを知る。

二陽 時を逃さず。節度を守りつつも、愛を伝えるべき瞬間には勇気を持って踏み出す。

初陽  門を出ず。まずは自分の内側で愛を育み、軽はずみに動かない節度。