山火賁(さんかひ)

六十四卦の二十二番目に位置するのが、山火賁(さんかひ)。次女である☲離卦(りけ)の上に未子である☶艮卦(ごんけ)が乗っかっている形になります。

上卦は艮卦☶(ごんけ)です。艮卦は陰爻2段の上に陽爻が乗った形で、家族においては末っ子 三男をあらわします。八卦においては山を表しています。

下卦は、離卦☲(りけ)です。離卦は両サイドに陽爻を持ち陰爻が陽爻に包まれた形となり、火を表し、家族のなかでは次女を表します。

六十四卦の二十二番目に位置するのが山火賁(さんかひ)です。この卦は、私たちの心の内側にある真実の愛が、美しい振る舞いや言葉となって外側に現れる「飾りの作法」を教えてくれます。

愛は目に見えないものですが、それを形にして相手に届けるとき、そこには「美しさ」が宿ります。家族を想う心が、一輪の花を飾るゆとりや、温かな微笑みとなって表れるとき、私たちの日常は黄金色の夕陽に照らされた山々のように、神々しく輝き始めるのです。

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艮卦(ごんけ)は、山を表しますが。天から与える雨の恵みも、日の恵みも平等ではありますが、真っ先に受けるのが、天に向かって伸びる山でもあります、艮卦の末の坊やは、天に甘える作法をよく知っていて、その心根は純真で、素直に親の愛を受ける上に溢れています。山火賁(さんかひ)はそのような、艮卦(ごんけ)上卦にあり、受けた愛を下卦である離卦に繋いでいます。離卦は、受けた愛を自らの心で咀嚼して、周囲に放つ松明であり、光だあり、その美しさゆえに多くのものを魅了します、そこには「離は、麗(れい)なり」と言われるように、内面の美しさもあり、末っ子通じて天の愛を受けて喜びとした家族の形といえます。

賁、亨。小利有攸往。
彖曰、賁亨、柔來而文剛、故亨。分剛上而文柔、故小利有攸往。天文也。文明以止人文也。觀乎天文以察時變、觀乎人文以化成天下象曰、山下有火賁。君子以明庶政、无敢折獄。

賁は、亨る。少しく往くところあるに利ろし。
彖に曰く、賁は亨るとは、柔来たりて剛を文る、故に亨るなり。剛を分かち上りて柔を文る、故に少しく往くところあるに利ろしきなり。(剛柔交錯するは)天文なり。文明にして止まるは人文なり。天文を観てもって時変を察し、人文を観てもって天下を化成す。
彖に曰く、山下に火あるは賁なり。君子もって庶政を明らかにし、あえて獄を折むることなし。

「賁(ひ)は亨(うけ)る 少しく往(い)くところにあるに利(よろ)ろし」易教の一文に賁(ひ)について書かれています。上卦の艮卦は、柔卦であり、下で支える離卦は剛卦として解釈しています。

山火賁の卦は、上に「艮(ごん)」、下に「離(り)」を配しています。私たちの家族では、上卦の艮は「三男」を、下卦の離は「次女」を象徴しています。

三男は「山」のようにどっしりと構え、静かに家族を見守る存在です。その山の麓で、次女という「火(光)」が明るく燃え、兄である三男の姿を美しく照らし出しています。これは、次女の細やかな感性や知恵が、家族の安定した土台をより魅力的に、価値あるものへと高めている姿です。


山そのものは動きませんが、そこに夕日が当たれば、木々は色づき、岩肌は陰影を持って美しく浮かび上がります。次女が家族のために食卓を美しく整えたり、優しい言葉を添えたりすることは、まさに「山を飾る火」そのものであり、家族の絆をより豊かなものにしてくれるのです。

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賁(ひ)とは、

「賁(ひ・ふん)」という字は、上部の「卉(き=草木が群生する)」と下部の「貝(かい=貴重な宝物)」から成り立っています。これは、大地から美しい模様を持った貝や、彩り豊かな草木が「ふつふつと盛り上がってくる」様子を表しています。

つまり「賁」とは、無理に付け加える装飾ではなく、内側にある生命力や真心が、抑えきれずに外側へ溢れ出し、美しい模様を形作ることを意味しているのです。

賁(ひ)とは、飾るという意味を持っています。『病は気から』というように、心に苦しみや恨み言がたまると、人の形相も変えてしまします。苦しさは、その姿さえ変えてしまうのです、心は体に影響を与えるものですが、逆に、体も心に影響を与えます。心と体は別物ではありません、ゆえに、苦しい時、笑顔でいること、楽しいことを一生懸命に楽しむことで、自分の周りを飾ることで、心も喜びという衣装を纏い自ら整えることができます。

俳優が日々芝居に打ち込み、舞台に立つのは、本番での素晴らしい演技をする訓練を自らするための技術です、苦しみを喜びにかえるための装いは日々の生活の中で、幼い子供が純粋に親に甘えるように、できれば良いのですが、大人になると、様々のプライドが、鎧(よろい)となり、萎縮させますが、無理にでも笑う。無理にでも楽しむことで、その技術は身の助けとなります。

本番であがらないために、俳優は、練習し、訓練し、鍛錬するようにします。それは、挫折や、恐怖心を先立てば失敗することを経験としてしっているからです。。ゆえに、(自らの望む状態を想像する)のは、喜びのある生活をえるための技術であり、技術は習得できるものであるため、喜びのある家庭も、習得できるものであることを、山火賁(さんかひ)は教えて、着飾ることを勧めます。賁(ひ)は、心のあり方を知る手掛かりでもあります。

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賁(ひ)のイメージ

賁。亨。小利有攸往。
「賁」の時は通じる。小さな利であれば、進んでも良い

「賁」は、飾る
不幸が続くと笑顔ではいられません。笑顔を作ると心に作用し、心が和みます。内面が、骨相、手相に現れるように不幸な思いは顔に現れます。笑顔で着飾ったとしても、その行動は心に大きく影響します。心と体は、一人の人として切り離せません。環境を整える。化粧をすることで、明るく着飾ることで、心を整えることができます。その行動は、少しずつ利を得ることができます。大きくは進みません。

賁(ひ)六爻

山火賁(さんかひ)の六爻は、下から順番に、初爻、二爻。三爻、四爻、五爻、六爻の並びが、初陽、二陰、三陽、四陰、五陰、上陽と並んだ状態を山火賁(さんかひ)といいます。

六爻の位置は社会的位置を表しています。 初爻は庶民、二爻は士、三爻は大夫(たいふ)、四爻は公卿(こうけい)五爻は、君主、上爻は隠居した君主、あるいは知識人となります。

上陽 美の極致(きわみいたる)極彩色(ごくさいしょく)ではなく。純白である。これを忘れなければ、咎めることはない。

五陰 田畑を美しくすることに努め、贈り物などは、虚礼を廃して。質素にする。無礼であると叱責されるが、結果としては吉

四陰 華美(かび)か質朴(しつぼく)か 疑い迷う時。華美(かび)を攻撃する者はいない。両者の調和をおさめる時、それができれば、咎められない。

三陽 美(うるわしく)して潤(うるお)いがある。虚飾(きょしょく)に流れることがなければ、侮辱を受けることもない。吉

二陰 顎髭を(あごひげ)を賁(かざ)る 顎髭は、顎’(あご)の動きに合わせて動きます 出処進退(しゅっしょしんたい)は先輩、上司に従い、ひたすら身なりに気を配るのがいい。

初陽 足を賁(かざ)る 修養(しゅうよう)に務めて足元から飾ることであり、我が身の美しさが、現れる。

孔子は山火賁(さんかひ)を得て、賁は正色ではない、ものの原質は、白下黒、賁はは丹(あか)い漆(うるし)に文様(もんよう)をつけない。原質の素晴らしいものに飾りは必要ない、

五行説 相生 相克 比和、干渉しあい、生存、繁栄、成長をする。万象の変化の法則 五行説、相生、相克、比和 占術は、理論上にある技術 古代の中国では「陰陽」とともに「木(もく)・火(か)・土(ど)・金(き...

変卦:愛が動く、変化の法則

易経が説く変化の理(ことわり)は、私たちの愛が決して停滞することなく、より高い次元へと昇華していくための道標です。

哲学の提示:変化を「本質への復帰」として捉える

なぜ、美しく飾られた状態から変化が起こるのでしょうか。それは、私たちが「形」に囚われすぎて、一番大切な「心」を置き去りにしていないかを確認するためです。変化は、あなたを本来の純粋な姿へと連れ戻してくれる、愛の修正作用なのです。

人生の浮き沈みと愛の修正

人生において、華やかな舞台から降りなければならない時や、自分の無力さを痛感する時があります。それは、外側の飾りを剥ぎ取り、内側にある「不滅の愛」に気づかせるための、神様からの贈り物です。飾らなくても愛されている。その確信を得たとき、人は本当の強さを手に入れます。

運気の具体的な変化:

「山火賁」の四爻は、派手な装飾を捨てて、質素で誠実な内面へと復帰しようとする決意の時です。その爻が動くことで、事態は「離為火」へと昇華します。

「離(り)」とは、燃え盛る太陽、あるいはすべてを正しく照らし出す明知を象徴しています。

  • 知恵の開花: 飾りを捨てたことで、あなたの魂は純粋な光を取り戻します。物事の本質が手に取るように分かり、進むべき道がはっきりと照らし出されるでしょう。
  • 情熱の再燃: 形式的な愛ではなく、心から燃え上がるような情熱が復活します。家族や大切な人との間に、一点の曇りもない透明な絆が再構築されます。
  • 正しい付着: 「離」には「付く」という意味もあります。あなたが本当に身を寄せるべき場所、大切にすべき価値観が明確になり、魂が安住の地を見つけることができます。

夕日に照らされた山の美しさ(賁)から、太陽そのものの輝き(離)へ。あなたの愛は今、外面的な彩りを超えて、すべてを温かく、そして正しく照らす「永遠の光」へと進化しようとしています。

64卦

周易 上経 30卦

NO六爻上卦下卦
1乾為天 (けんいてん)☰ 乾 ☰ 乾
2坤為地(こんいち)☷ 坤☷ 坤
3水雷屯(すいらいちゅん)☵ 坎 ☳ 震
4山水蒙(さんすいもう)☶ 艮 ☵ 坎
5水天需(すいてんじゅ)☵ 坎 ☰ 乾
6天水訟(てんすいしょう)☰ 乾 ☵ 坎
7地水師(ちすいし)☷ 坤 ☵ 坎
8水地比(すいちひ)☵ 坎☷ 坤
9風天小畜(ふうてんしょうちく)☴ 巽☰ 乾
10天沢履(てんたくり)☰ 乾 ☱ 兌
11地天泰(ちてんたい)☷ 坤 ☰ 乾
12天地否(てんちひ)☰ 乾 ☷ 坤
13天火同人(てんかどうじん)☰ 乾 ☲ 離
14火天大有(かてんたいゆう)☲ 離 ☰ 乾
15地山謙(ちざんけん) ☷ 坤 ☶ 艮
16雷地豫(らいちよ)☳ 震 ☷ 坤
17沢雷随(たくらいずい)☱ 兌 ☳ 震
18山風蠱(さんぷうこ)☶ 艮 ☴ 巽
19地沢臨(ちたくりん)☷ 坤 ☱ 兌
20風地観(ふうちかん)☴ 巽 ☷ 坤
21火雷噬嗑(からいぜいこう)☲ 離 ☳ 震
22山火賁(さんかひ)☶ 艮 ☳ 震
23山地剥(さんちはく)☶ 艮 ☷ 坤
24地雷復(ちらいふく)☷ 坤 ☳ 震
25天雷无妄(てんらいむぼう)☰ 乾 ☳ 震
26山天大畜(さんてんたいちく)☶ 艮 ☰ 乾
27山雷頤(さんらいい)☶ 艮 ☳ 震
28沢風大過(たくふうたいか)☱ 兌☴ 巽
29坎為水(かんいすい)☵ 坎 ☵ 坎
30離為火(りいか)☲ 離 ☲ 離

周易 下経 34卦

NO六爻上卦下卦
31沢山咸(たくざんかん)☱ 兌 ☶ 艮
32雷風恒(らいふうこう)☳ 震☴ 巽
33天山遯(てんざんとん)☰ 乾☶ 艮
34雷天大壮(らいてんたいそう)☳ 震 ☰ 乾
35火地晋(かちしん)☲ 離 ☷ 坤
36地火明夷(ちかめいい)☷ 坤 ☲ 離
37風火家人(ふうかかじん)☴ 巽 ☲ 離
38火沢睽(かたくけい)☲ 離 ☱ 兌
39水山蹇(すいざんけん)☵ 坎 ☶ 艮
40雷水解(らいすいかい)☳ 震 ☵ 坎
41山沢損(さんたくそん)☶ 艮 ☱ 兌
42風雷益(ふうらいえき)☴ 巽 ☳ 震
43沢天夬(たくてんかい)☱ 兌 ☰ 乾
44天風姤(てんぷうこう)☰ 乾 ☴ 巽
45沢地萃(たくちすい)☱ 兌☷ 坤
46地風升(ちふうしょう)☷ 坤☴ 巽
47沢水困(たくすいこん)☱ 兌☵ 坎
48水風井(すいふうせい)☵ 坎 ☴ 巽
49沢火革(たくかかく)☱ 兌 ☲ 離
50火風鼎(かふうてい)☲ 離 ☴ 巽
51震為雷(しんいらい)☳ 震 ☳ 震
52艮為山(ごんいさん)☶ 艮 ☶ 艮
53風山漸(ふうさんぜん)☴ 巽 ☶ 艮
54雷沢帰妹(らいたくきまい)☳ 震 ☱ 兌
55雷火豊(らいかほう)☳ 震 ☲ 離
56火山旅(かざんりょ)☲ 離 ☶ 艮
57巽為風(そんいふう)☴ 巽 ☴ 巽
58兌為沢(だいたく)☱ 兌 ☱ 兌
59風水渙(ふうすいかん)☴ 巽 ☵ 坎
60水沢節(すいたくせつ)☵ 坎 ☱ 兌
61風沢中孚(ふうたくちゅうふ)☴ 巽 ☱ 兌
62雷山小過(らいざんしょうか)☳ 震 ☶ 艮
63水火既済(すいかきせい)☵ 坎 ☲ 離
64火水未済(かすいびせい)☲ 離 ☵ 坎