易の基本

【易の基本】陰陽思想が説く調和の哲学 – SDGsの未来を照らす東洋の知恵

陰陽、二気から四象があらわれる

太極が両義(陰陽二気)に分かれ陰陽二気から四象が現れました。
神話の世界では、天から降りてきた伏羲はその妹 女禍と夫婦の契りを得て伏羲は 万象の陽部分の全てを持ち女禍は 万象の陰部分のすべてを持っていました。

伏羲はその妹 女禍と夫婦の契り

伏羲 文王 孔子の三聖人によって、易は学問として完成してゆきます。周王朝を治めた文王によって残されている。繋辞上伝(けいじじょうでん)に

易有太極 (易は太極にあり、)
是生兩儀 (これ 両義を生じ)
兩儀生四象(両義は四象を生じ)
四象生八卦(四象は八卦を生じ)
八卦定吉凶(八卦は吉凶を定め)
吉凶生大業(吉凶は大業を生ず)

聖書にあるアダムとエバも兄妹の関係で生まれ、エデンの園を追い出されたのち 夫婦になって子をもうけていますが 神話の世界は世界中似たような伝承が残っているものです 余談です。

さて、夫婦になることで、四象が現れました。この四象は太極図の陽中に陰を宿し、陰中に陽を宿すと言われるように陽性部分にも陰性が現れ陰性部分にも陽性が現れるようになります。勾玉を二つ合わせた形の太極図です。

易経には、天の太極が 陰陽二気に分かれ混じり合うことで 陰中陽 陽中陰となったことを四象といい,この四象を 太陽(老陽) 少陽 太陰(老陰) 少陰の四象として表しました。

この太極図の表すことは、陰の中にも陽があり、陽の中にも陰が存在していることを表し、陰に対して陽の存在がなければならないし、陽に対して陰が必要であることを表しています。伏羲はその妹 女禍と夫婦の契りを得て太極図となるように、夫婦の契りにより、太極図画完成します。そこには、自然界の調和が現れています。

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ビックバンで誕生した宇宙

私たちが学んだ化学や物理の世界でも、宇宙の成り立ちは瞬間の爆発からいっきに宇宙が広がり今も膨張し続けていて、宇宙の出発は138億年前のこと発表されてのは皆さんも知って聞き及んでいることでしょう。

そのように、長い時間をかけて形成してきた物質世界の宇宙形成が、なんの法則性や偏在性もなく脈絡もなく無茶苦茶に勝手に 偶然に現れたとは普通に考えても(変だわ)と思わないことが変だとわたしは単純に思っていしまいます。

こうした法則性を探求して残した 伏羲 文王 孔子の三聖人の一部の学問として陰陽思想があります。

一元の太極から陰陽が発生し、四象が現れてきます。漢方の幾つかの宗派は、人間の体質を四象体質として、太陽 太陰 少陽 少陰と分けたり、一元二気に分かれた 太極図から見てわかるように勾玉の形が向い合せに並びとして表しました。

陽性の中で陽性が強いものを太陽 
陽性の中で陰性が強いものを少陰 
陰性の中で陰性が強いものを太陰 
陰性の中で陽性が強いものを少陽

陽爻(ようこう)陰爻(いんこう)

陰陽、易経で使用している爻(こう)は、陽を長い横棒(⚊)陰を短い横棒(⚋)を使用したのですが、周王朝の文王が表しました。

文王の生い立ち、奇門遁甲の太公望が仕えた後天八卦のつくり主 文王の生い立ち 文王は、父 季歴 母 太任の間に生まれました。小国の生まれで、紀元前1152年に誕生しました。誕生する前から、...

さて、夫婦になることで、四象が現れました。この四象は太極図の陽中に陰を宿し、陰中に陽を宿すと言われるように陽性部分にも陰性が現れ陰性部分にも陽性が現れるようになります。勾玉を二つ合わせた形の太極図です。

易経には、天の太極が 陰陽二気に分かれ混じり合うことで 陰中陽 陽中陰となったことを四象といいこの四象を 太陽(老陽) 少陽 太陰(老陰) 少陰の四象として表しました。

陰爻(いんこう)

陰陽、易経で表す、陽爻と対象的なものとして表現されます。相反する存在ではなく、お互いの存在を認めあって存在します。
陰爻は、陰気くさいとか、じめじめとか変な表現がおおいのですが、陽爻がなければ存在しません。陰爻の代表が女性で表しますが、この世の中が女性だけ、メスだけ雌しべだけ、となったら、存在自体がありえません。陽爻あっての陰爻であり、陰爻あっての陽爻なのです。

陽爻(ようこう)

陰陽、易経で表す、 陰爻と対象的なものとして表現されます。相反する存在ではなく、お互いの存在を認めあって存在します。
陽爻は、陽気とか、日向とか、ともかく明るさだけが強調されますが、陰爻がなければ存在しません。陽爻の代表が男性で表わしますが、この世の中が男性だけ、オスだけ雄しべだけとなったら、存在自体ありえません 陰爻あっての陽爻であり、陽爻あっての陰爻なのです。

自然の中の陰陽

自然界の存在がすべて陰陽の存在であるのは、伏羲があらわした陰陽においての基本となります。自然界において水にも陰陽があります。陰性の水と陽性の水があり、陰性の水と陽性の水が重なる所には魚がよく住みます。寒水(陰水)と温水(陽水)の水が混ざり合うところはたくさんの魚がすむように、北にすむ鳥が南に行きヒナを育てたり、南に住む鳥が北にわたり交流するのは地球規模で混ざる行為として大きなリズムを産んでいます。

また、冷たい水のところに住む魚が温かい水や海に行って産卵したり、、温かい海から冷たい川に上がり産卵する陰陽バランスがあることは自然の現象として、よく知られています。

最近ではう川に住むウナギが下って南の海で産卵することがわかってきましたし、海から川を上がってくる鮭の群れや、アユはよく知られていることです。

人も男性は、陽性であり、八卦において陽中の陽をあらわす乾為天 ䷀(けいいてん)を表すように天の象徴と言えます。又。女性は陰中の陰であり八卦において坤為地 ䷁(こんいち)を表すように地の象徴でもあるので、天と地が合わさる結婚する初夜を迎えることで、天地人の三才観を表すようになります。

天地人の意味 三才観は、タイミング 調和 能力 三才観とは、天と地と人の三層 天地人という考え方 あい しあわせにになる方法を教えて。 天地人の意味、三才観(さんさいの...

混沌の盤古の上に伏羲女媧という陰陽が誕生

陰陽、易経には太極にあり、これ、両義を生じという、両義が陰陽の発生で、伏羲と女媧という兄弟が陰陽で現すことができますがもっと昔。伏儀と女媧がこの地上の最初の創造の兄弟として生まれる。ずーと前、巨人盤古が存在します。あくまでも、人が生まれるずーと前の天と地ができる前の話なので、言い伝えとも、昔話として聞いてください。神話の世界の話です。

陰陽五行思想が示す自然と人間の調和 - 色、音、そして宇宙の秩序 五行と五つのエネルギー 陰陽五行説は、古代中華において、人々の生活において深く浸透していました。 自然界の色を陰陽五行で分...

宇宙の原則は調和

伏羲と女媧の図を見ると下半身を重ねて 伏羲は定規を、女媧はコンパスを持った立ち姿で現れているように、互いが互いを思い混ざる会いながらも調和を保っています。互いに違う性別でありながら混ざり合うことで調和を保つことを示しています。
宇宙の原則は調和です。空気は隙間を嫌うように、空間を満たし、水は、下に流れながら、低い場所を満たしていくように、エネルギーはその習性を最大限に生かし自らのできることを行います。たえず、自らのできることを最大限に行います、そのようにして、互いを認め合いながらも、調和するのが宇宙の法則性です。


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不調和は破壊する

ゆえに、形の維持できないものは、壊れてゆきます。調和を行うものは持続します。
伏羲と女媧は混ざり重なることで、新しい力を生み、人の親になりました、子が生まれるためには、陰陽が混ざることが必要です。陰陽が混ざらなければ、新しいものは生まれないのは、5000千年まえの中華思想として生まれた易経においても、不変の真理として、表していますので、伏羲には女媧が必要でしたし、女媧には伏羲が必要でした。

もし互いが、必要ないというのであれば、そこには不調和が生まれ、不調和からは、何一つとして生まれるものがありません。原則というものは、そういった意味を持ち合わせています。不調和というものは、破壊され、より大きなものに吸収されるのが、自然界の原則です。

肉食獣が草食獣を食べるのも、命の連鎖があるからで、満腹な状態であれば、近くを通過したとしても襲いません。つよい力を誇示することはありません、肉食獣には草食獣が必要であり、草食獣には肉食獣がひつようです。自然界の均衡はそのようにバランスを保っています。ひとたび、その調和が崩れると、バランスが崩れた自然界は、不調和となり、破壊へと向かいます。自然界は、バランスを保つため、たえず調和を求めます。

【風水】風水、環境があたえる影響。良い場所を探して。 環境があたえる影響。 私達一人ひとりは、親を選べません。親もまた子を選べません。 お互いが選べないものとして私たちは認識...

陰陽思想の宇宙観 – 万物の根源としての太極

易経の根幹をなす陰陽思想は、宇宙の根源的な存在様式を表すものです。まず、太極という至高の存在があり、そこから陰陽二気が発生します。この二つの相反する原理が混じり合い、四象(太陽、少陽、太陰、少陰)を生み出します。そして、この四象から八卦が形作られ、吉凶が定まり、ついには「大業」と呼ばれる壮大な創造が実現します。

このように、陰陽思想は宇宙の根源から万物の営みに至るまでの過程を示しています。太極という究極の存在から発し、相反しつつ補完し合う陰陽、そしてそこから生み出される多様な存在。これが易経が説く宇宙観の核心部分といえます。

伝統的な古代中華思想において、、人間も自然の一部として位置づけられてきました。

個人の内面にも陰陽の原理が宿るのであり、調和のとれた人格形成が求められるのです。つまり、陰陽思想は単なる自然観にとどまらず、人間存在の在り方をも規定する根本的な世界観といえます。

陰陽の調和と持続可能性

陰陽の調和は、自然界の中にも人間社会の中にも通底する重要な原理です。たとえば、寒水と温水が出会う場所には豊かな生態系が形成されるように、対立する要素の融和が新たな生命力を生み出すのです。

同様に、家庭や地域社会においても、男女の協調や世代間の調和が求められます。個人の内面においても、陰性と陽性のバランスが大切とされます。強すぎる陽性は暴力や横暴につながり、強すぎる陰性は受動性や引きこもりを生みます。この調和こそが、持続可能な人間関係の基盤なのです。

そして、国家レベルでも陰陽のバランスは重要です。強大な軍事力(陽)を持ちつつ外交的な柔軟性(陰)を発揮する。あるいは、経済成長(陽)と社会的包摂(陰)のバランスを保つ。このように、政治・経済・外交など様々な分野でバランスを保つことが国家の繁栄につながるのです。

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つまり、陰陽思想が説く調和の理念は、自然界から人間社会に至るあらゆるレベルで重要な意味を持っています。

持続可能な社会を実現するためには、まさにこの陰陽の調和を実現することが不可欠なのです。

SDGsと陰陽思想の接点

近年、持続可能な開発目標(SDGs)が国際社会の重要な課題として注目されています。SDGsが掲げる17の目標は、貧困や飢餓の撲滅、気候変動対策、生物多様性の保護など、地球規模の課題に取り組むものです。

興味深いことに、SDGsが目指す持続可能な社会の実現は、まさに陰陽思想が説く調和の理念と深く共鳴しています。たとえば、SDGsの目標12「つくる責任、つかう責任」は、生産と消費のバランスを追求するものですが、これは陰(消費)と陽(生産)の調和を説いているとも捉えられます。

また、目標13の「気候変動に具体的な対策を」は、自然(陰)と人間活動(陽)の調和を求めるものといえるでしょう。同様に、目標15の「陸の豊かさも守ろう」は、人間社会(陽)と生態系(陰)の調和を目指しているといえます。

つまり、SDGsが掲げる持続可能な社会への道筋は、陰陽思想が説く調和の理念と深く結びついているのです。この共通性を意識することで、伝統的な東洋思想と現代の国際的な課題解決のアプローチを統合的に捉えることができるでしょう。

陰陽思想と2030年アジェンダ

このように、SDGsと陰陽思想には密接な関係性があります。ではなぜ、この伝統的な東洋思想が現代の持続可能な社会実現に寄与し得るのでしょうか。

その理由の1つは、陰陽思想が宇宙の根源から個人の内面に至るまで、あらゆるレベルでの調和を追求するという点にあります。SDGsが掲げる課題群は、地球規模の環境問題から地域コミュニティの活性化まで、きわめて広範囲にわたります。この包括性こそ、陰陽思想の強みなのです。

また、陰陽思想は「相互依存」の概念を重視します。たとえば、男女の関係性や生産と消費の関係など、相反しつつ補完し合う要素の調和を追求します。SDGsが掲げるような複雑な課題群に取り組むには、このような「全体性」と「相互性」の理解が不可欠です。

さらに、陰陽思想は持続可能性の概念を内包しています。つまり、調和を保ち続けることで、自然界や社会システムが永続的に営まれるのです。SDGsが目指す2030年アジェンダは、まさにこのような長期的な視座に立脚しているのです。

このように、陰陽思想が説く調和の理念は、SDGsが目指す持続可能な社会の実現に大きな示唆を与えてくれます。伝統的な東洋思想と現代の国際アジェンダを架橋することで、より包括的で実効性の高い解決策が見出せるはずです。

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陰陽思想の実践 – 個人から地球規模まで

陰陽思想の核心は、対立する要素の調和を実現することにあります。では、この思想をどのように実践していけば良いでしょうか。

まず、個人レベルでは、自身の内面に宿る陰性と陽性のバランスを保つことが重要です。強すぎる陽性は攻撃性や独断性を生み、強すぎる陰性は受動性や引きこもりにつながります。この両者のバランスを保つことで、調和のとれた人格が形成されるのです。

次に、家庭や地域社会においては、男女の協調や世代間の調和が求められます。家庭内では夫婦や親子の関係性を、地域社会では住民同士の関係性を、陰陽の調和の視点から見直すことが重要です。

さらに、企業経営の分野でも陰陽思想は有効です。たとえば、イノベーション(陽)と組織の安定性(陰)のバランスを保つ。あるいは、収益性(陽)と社会的責任(陰)のバランスを実現する。このように、企業活動においても陰陽の調和が鍵となるのです。

そして、国家レベルでは、政治・経済・外交といった様々な分野で陰陽のバランスを追求することが重要です。たとえば、強大な軍事力(陽)と外交的な柔軟性(陰)のバランス。あるいは、経済成長(陽)と社会的包摂(陰)のバランス。これらの調和こそが、持続可能な国家経営につながるのです。

最後に、地球規模の課題では、人間社会(陽)と自然環境(陰)の調和が不可欠です。SDGsが掲げる目標群は、まさにこの陰陽の調和を実現しようとするものだと言えるでしょう。

このように、陰陽思想の実践は、個人から地球規模に至るあらゆるレベルで重要な意味を持っています。調和への志向性こそが、持続可能な社会を実現するための根本的な視座なのです。

陰陽思想が説く調和

以上のように、易経に根ざす陰陽思想は、宇宙の根源から個人の内面に至るまでの広範な領域を射程に収めています。太極から陰陽、四象、八卦へと展開する体系は、万物の営みを包括する壮大な世界観を提示しているのです。

そして何より重要なのは、この思想が「調和」の実現を説いている点です。対立する要素の融和によって新たな可能性が生み出される。自然界から人間社会に至るあらゆるレベルで、この調和の理念が説かれているのです。

近年注目を集めるSDGsは、正にこの陰陽思想が追求する持続可能性と深く共鳴しています。地球規模の課題に取り組むには、相互依存的な全体性の理解が不可欠です。そしてまさに、陰陽思想がこの全体性と調和の視点を提供してくれるのです。

21世紀を生きる私たちに求められているのは、伝統的な東洋思想と現代の課題解決とを架橋し、より包括的な視座を構築することではないでしょうか。陰陽思想が説く調和の地平こそが、持続可能な未来への道筋を照らし出してくれるはずです。

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