風山漸(ふうざんぜ ん)

六四卦の五三番目に位置するのが、風山漸(ふうざんぜ ん)。艮卦☶(ごんけ)の上に、巽卦☴(そんけ)が乗っかっている形になります。

上卦は、巽卦☴(そんけ)です。巽卦は、陰爻の上に陽爻が2段乗った形です。家族の中では、長女を表し、八卦においては風を表しています。

下卦は艮卦☶(ごんけ)です。艮卦は陰爻2段の上に陽爻が乗った形で、家族においては末っ子 三男をあらわします。八卦においては山を表しています。

六十四卦の五十三番目に位置するのが、**「風山漸(ふうざんぜん)」**です。 この卦は、木が山の上で長い年月をかけて大樹へと育つように、焦らず、順序を追って愛を深めていくことの尊さを教えてくれます。

風山漸は、上が**「巽(そん):風・木」、下が「艮(ごん):山」で成り立っています。 私たちの8人家族では、「長女(風・木)」「三男(山)」**の触れ合いの姿を描いています。

  • 上卦(長女): しなやかな風、あるいは大地に根を張る木。周囲に合わせる柔軟さと、粘り強く成長する力を持っています。
  • 下卦(三男): どっしりと動かない山。静かな安定感と、すべてを受け入れ育む慈悲の心を持っています。

三男という揺るぎない「山」の土壌に、長女という「木」が守られながら、一歩ずつ天に向かって伸びていく情景です。

この卦が語る愛の物語は、**「時間をかけて育む信頼関係」**です。

家族の絆や大切な人との関係は、魔法のように一瞬で完成するものではありません。特に新しい家族を迎えたり、新しい環境で関係を築いたりするとき、私たちはつい「早く仲良くなりたい」「早く結果を出したい」と焦ってしまいがちです。

しかし、長女(木)が三男(山)に根を張るように、愛には「馴染むための時間」が必要です。今日一日の対話、今日一日の感謝。その小さな積み重ねが、やがてどんな嵐にも負けない大きな愛の大樹を育てます。急がず、順序を飛び越えず、今の歩みを慈しむこと。それが、愛を永遠にするための最も確かな近道なのです。

漸とは

「漸」という字は、水が少しずつ染み込んでいく様子、あるいは「進む」ことを表します。 愛の作法における「漸」とは、**「心の足並みを揃える」**ことです。

相手の歩幅に合わせ、無理強いをせず、川の流れが少しずつ景色を変えていくように、自然な変化を受け入れる。その優しさが、相手の心を深く安心させます。

[霧が立ち込める静かな山の上で、一本の若木が光を浴びて静かに枝を広げている情景]

山は動きませんが、その上で木は毎日、目に見えない速さで成長しています。 派手な変化はなくても、数年後には豊かな森となり、家族を癒す木陰を作ってくれる。 そこには、静寂の中に満ちている「命の躍動」と「深い愛」があります。

風山漸(ふうざんぜ ん)のイメージ

漸。女帰吉。利貞
「漸」の時、女が正しき手順により結婚するのは吉。貞正であれば良い

「漸」は水が徐々にしみこむ
山の中にゆっくりしみこむ水は、削られ磨かれ、ミネラルを多く含んだ豊かな水になります。そのためにはじっくりと時間をかけて変化していく必要があります。順序だて基本を知ったものの方が、早く成長することも多く見てきました。山の中、内面に浸透し練り上げることは、人にとっても重要です。結婚もまた、貞操を守り結婚するのが吉です。これは女性だけではありません。古来より祀られた神は貞操を守り結婚しました。この卦は、結婚について吉です。

風山漸(ふうざんぜ ん)の六爻

風山漸(ふうざんぜ ん)の六爻は、下から順番に、初爻、二爻。三爻、四爻、五爻、六爻の並びが、初陰、二陰、三陽、四陰、五陽、上陽と並んだ状態を、風山漸(ふうざんぜ ん)といいます。

六爻の位置は社会的位置を表しています。 初爻は庶民、二爻は士、三爻は大夫(たいふ)、四爻は公卿(こうけい)五爻は、君主、上爻は隠居した君主、あるいは知識人となります。

上陽 理想の姿。その高潔な愛の形は、周りの人々を導く美しい手本となります。

五陽  念願が叶う。長い時間をかけて育んだ愛が、ようやく素晴らしい実を結びます。

四陽  自分の居場所を見つける。自分に合った役割(枝)を見つけ、そこで安らぐこと。

三陽  急ぎすぎて孤立しないように。独りよがりな行動は、家族の調和を乱します。

二陰  安定した喜び。家族と一緒に食事を囲むような、平穏な幸せを味わう。

初陰 始まりの不安。小さな迷いがあっても、まずは一歩を踏み出す勇気を。