【易経】地沢臨(ちたくりん)六四卦 易経 周易で観る八人家族の関係性 六十四卦 十九番
地沢臨(ちたくりん)

六十四卦の十九番目に位置するのが、地沢臨(ちたくりん)。末娘の☱兌卦(だけ)の上に母である☷坤卦(ごんけ)がいすわっている形になります。

上卦は、坤卦☷(こんけ)です。坤卦は陰中の陰を表し、家族においては母親であり、八卦においては地を表しています。
下卦は、兌卦☱(だけ)です。兌卦(だけ)は陽爻を下に陰爻を上に据えた沢を表し、家族においては 末娘 三女を表しています。
六十四卦の十九番目に位置するのが地沢臨(ちたくりん)です。この卦は、厳しい冬の寒さが和らぎ、大地の下から温かな希望の光がむくむくと湧き上がってくるような、輝かしい春の訪れを象徴しています。目の前に広がる景色が少しずつ明るさを増し、心の中に「これから何かが始まる」という悦びが満ちてくる。そんな、生命の躍動を予感させる美しい瞬間がこの卦には込められています。八人の家族が、互いの成長を喜び、慈しみを持って見守り合う姿を通じて、この「臨む」という行為に秘められた愛の真髄を紐解いていきましょう。
沢はチョロチョロと小さな水を集め、大地を流れいずれは大海につながります。大地は自らの身を削られようとも、甘んじて受け入れ、末っ子の行うことを愛情く与えています。大地の下を流れる沢に対して見つめる母の愛はあくまでも慈愛であり、

小さな幸せが集まってすぐ近くに幸せが来ていることを教えています。ただ思いが強すぎて、急ぎ、あれれば大地を削る大河にもなりかねません。沢の水は母なる大地を削りながら山の栄養を大海に運び海の生き物を繁殖させるように流れて、大いなる幸福はもうすぐ近くに来ていることを教えていますが、
暴走すれば、全てを破壊するという2面性を含んでいることを忘れてはいけまん。
母は子を思っていますが、幼い娘は、母の慈愛を受けながらもその本質を知るためには、もう少し時間が必要かもしれません。母の目を見つめて育つ安心安全な環境を受け入れ幸福が近づいていることを知らせるのが、地沢臨(ちたくりん)の特徴です。
この卦は、広大な「大地」である母が、そのほとりでキラキラと輝く「沢(湖)」のような三女を、温かく見守っている姿を象徴しています。母という大地は、三女が自由にしなやかにその感性を育めるよう、すべての土台となって彼女を包み込みます。
三女は家族の中で最も若く、純粋な喜びを振りまく存在です。その彼女の成長を、母が高い場所から、あるいはすぐ傍らから、深い慈愛を持って眺めている。この「臨む(のぞむ)」という姿勢は、単に上から見るのではなく、相手の心に寄り添い、共に歩もうとする母の深い愛そのものなのです。母の包容力と三女の悦びが響き合うとき、家庭には春の陽だまりのような幸福な時間が流れます。
愛の解釈:希望を育み、見守り続ける「臨門の作法」
地沢臨における「愛の作法」とは、大切な人の成長を信じ、最も良いタイミングで手を差し伸べる「見守りの美学」にあります。
自然現象と家族の触れ合い
想像してみてください。山々の雪が解け、清らかな水が沢へと流れ込み、湖面が春の光を反射して輝き始める光景を。その沢のほとりで、母が三女の手を引きながら、足元に咲き始めた小さな花を見つける。そんな微笑ましい風景が「臨」の教えです。
「臨」という言葉には、自分から進んで相手に近づく、あるいは心を寄せるという意味があります。家族の中で、誰かが新しい一歩を踏み出そうとしているとき、それを「大丈夫かな」と心配するだけでなく、「あなたならできるわ」と希望を持って見守ること。三女が初めてのことに挑戦し、目を輝かせているとき、母はその悦びを自分のことのように感じ、静かに寄り添います。この「希望を共有する作法」こそが、家族の絆をより強固なものにするのです。
臨(りん)とは
上の立場の者が下の者を支配、保護することを言います。管理しその動きを整えることでもありますが、臨(りん)の意味においては、上司と部下 親方と弟子という関係性よりも愛情が深い親しみを持っている関係性を持っています。
下卦に2つの陽爻を持っており、運気が次第に隆盛(りゅうせい)していることを示していますが、臨(りん)の時期は長くは持たないことも示しており、短期決戦であり、時期をよく見こわめる感情を持っていなければなりません。そこには、親子関係においても。阿吽(あうん)の関係であれば、その感情を見極めるため心を引き締めて行わなければ、一生悔いが残るでしょう。
「臨」という字は、ひざまずいて(臥)、品物や人々(品)を、高い位置から、あるいは身近に近寄って、じっと見つめる姿を表しています。
この字には「支配する」という意味ではなく、「高い徳を持つ者が、自ら身を低くして接する」という謙虚な愛が含まれています。母が幼い三女の目線に合わせてしゃがみ込み、同じ景色を見ようとする。その「視線を合わせる誠実さ」が、臨という字の真髄です。相手を敬い、その存在を丸ごと受け入れる姿勢が、愛の完成へと導きます。
地沢臨(ちたくりん)のイメージ
臨(りん)は剛気が次第に盛り上がり、上下の親しみがあって、喜び(悦び)したがう卦です。悦びはおおいに伸びる、栄えると言えます。
臨。元亨利貞。至于八月有凶
「臨」の時、大いに通じる。貞正であれば良い。八月に至ると凶。
「臨」は、臨在すること。
存在はしているが、近くに来ていても見えていなことが多くあり、幸せは近くに来ているが、気づいていない事でもある。物事を進める時、無意識に否定されることで傷つきやめてしまう消極的なことは凶。大運に乗るため、幸運は近くまで来ていると信じる時です。
しかし、’「臨」とは、行き悩むという意味もあります。行くに悩み、帰るに悩む。リーダーがどうするか判断せず物事を行えば、プロジェクトにおいて必ず失敗します。「臨」とは、リーダーの資質が問われることでもあります。
地沢臨(ちたくりん)の六爻
地沢臨(ちたくりん)の六爻は、下から順番に、初爻、二爻。三爻、四爻、五爻、六爻の並びが、初陽、二陽、三陰、四陰、五陰、上陰と並んだ状態を地沢臨(ちたくりん)と言います。

六爻の位置は社会的位置を表しています。 初爻は庶民、二爻は士、三爻は大夫(たいふ)、四爻は公卿(こうけい)五爻は、君主、上爻は隠居した君主、あるいは知識人となります。

上陰 篤実(とくじつ)をもって事に臨む。賢人(けんじん)に心から従うが故に吉、

五陰 叡智をもって事に臨む。誠に王者に相応しい。吉

四陰 至誠(しせい)を持って事に臨む ゆえに咎(とが)められることはない。

三陰 計画性もなく、甘い気持ちで事に臨む うまくいくわけがない。過ちに自戒(じかい)し反省するならば、程なくとがめられない

二陽 上司と部下 親子が志を一つにして正道を守れば 吉ではあるが、君命に盲従(もうじゅう)することではない。

初陽 上司と部下 親子が志を一つにして正道を守れば 吉
変卦:愛が動く、変化の法則
易経が説く「変易」は、私たちの愛が停滞せず、常に新しく生まれ変わるための「機(きっかけ)」を教えてくれます。地沢臨が示す「希望の接近」もまた、状況に応じてその形を変え、新たな学びへと私たちを誘います。
変化は、私たちがより深く、より純粋な愛を習得するための「愛の修正」なのです。
哲学の提示:変化は「愛の再出発」
なぜ、順調に見える地沢臨から変化が起こるのでしょうか。それは、一つの成功や悦びに安住せず、魂を常に新鮮な状態に保つための、天からの愛の鞭です。変化を受け入れることは、過去の自分を脱ぎ捨て、より大きな愛の器へと成長すること。それは、家族と共に永遠の春を歩むための知恵なのです。
人生の浮き沈みと愛の修正
- 絶頂期の変化: 勢いに乗っているときこそ、自らの足元を見つめ直し、謙虚な心を取り戻すための「修正」が起こります。
- 迷いの中の変化: 進むべき道が分からなくなったとき、再び原点に立ち返り、自分の本当の願いを確認するための「機」が現れます。
すべての変化は、愛の欠落を埋め、私たちが真実の幸福へと至るための、慈悲深い軌道修正なのです。
具体的な変化の提示:二爻が動く時
ここでは、地沢臨の物語で力強く躍進していた中心的なエネルギー、二爻(九二)が動いた場合を想定してみましょう。
- 変化後の卦の番号: 第二十四番
- 変化後の卦の名前: 地雷復(ちらいふく)
- 運気の具体的な変化: 「希望ある調和の接近」から「光り輝く一陽の回復」へ
地沢臨の二爻は、周囲と響き合いながら喜びを広げていく「陽」の力でした。しかし、この爻が動いて「陰」に変わると、下卦が「雷(震)」となり、一度失われた光が再び戻ってくる「地雷復」へと変容します。
これは、今まで外に向かって悦びを広げていたエネルギーが、一度自分の内側へと沈静化し、そこから再び「本当の自分」を取り戻そうとする、再生のステージへの移行を意味します。愛の修正としてのメッセージは、「外側の賑やかさに惑わされず、今は自分の心の中心にある『善き種』を大切に育てなさい。一度離れた愛も、誠実さを保てば必ず戻ってきます(復る)。焦らず、新しい光が満ちるのを待ち、過ちを改めて正しい道へ復(かえ)りなさい」というものです。
64卦
周易 上経 30卦
| NO | 六爻 | 上卦 | 下卦 |
| 1 | 乾為天 (けんいてん) | ☰ 乾 | ☰ 乾 |
| 2 | 坤為地(こんいち) | ☷ 坤 | ☷ 坤 |
| 3 | 水雷屯(すいらいちゅん) | ☵ 坎 | ☳ 震 |
| 4 | 山水蒙(さんすいもう) | ☶ 艮 | ☵ 坎 |
| 5 | 水天需(すいてんじゅ) | ☵ 坎 | ☰ 乾 |
| 6 | 天水訟(てんすいしょう) | ☰ 乾 | ☵ 坎 |
| 7 | 地水師(ちすいし) | ☷ 坤 | ☵ 坎 |
| 8 | 水地比(すいちひ) | ☵ 坎 | ☷ 坤 |
| 9 | 風天小畜(ふうてんしょうちく) | ☴ 巽 | ☰ 乾 |
| 10 | 天沢履(てんたくり) | ☰ 乾 | ☱ 兌 |
| 11 | 地天泰(ちてんたい) | ☷ 坤 | ☰ 乾 |
| 12 | 天地否(てんちひ) | ☰ 乾 | ☷ 坤 |
| 13 | 天火同人(てんかどうじん) | ☰ 乾 | ☲ 離 |
| 14 | 火天大有(かてんたいゆう) | ☲ 離 | ☰ 乾 |
| 15 | 地山謙(ちざんけん) | ☷ 坤 | ☶ 艮 |
| 16 | 雷地豫(らいちよ) | ☳ 震 | ☷ 坤 |
| 17 | 沢雷随(たくらいずい) | ☱ 兌 | ☳ 震 |
| 18 | 山風蠱(さんぷうこ) | ☶ 艮 | ☴ 巽 |
| 19 | 地沢臨(ちたくりん) | ☷ 坤 | ☱ 兌 |
| 20 | 風地観(ふうちかん) | ☴ 巽 | ☷ 坤 |
| 21 | 火雷噬嗑(からいぜいこう) | ☲ 離 | ☳ 震 |
| 22 | 山火賁(さんかひ) | ☶ 艮 | ☳ 震 |
| 23 | 山地剥(さんちはく) | ☶ 艮 | ☷ 坤 |
| 24 | 地雷復(ちらいふく) | ☷ 坤 | ☳ 震 |
| 25 | 天雷无妄(てんらいむぼう) | ☰ 乾 | ☳ 震 |
| 26 | 山天大畜(さんてんたいちく) | ☶ 艮 | ☰ 乾 |
| 27 | 山雷頤(さんらいい) | ☶ 艮 | ☳ 震 |
| 28 | 沢風大過(たくふうたいか) | ☱ 兌 | ☴ 巽 |
| 29 | 坎為水(かんいすい) | ☵ 坎 | ☵ 坎 |
| 30 | 離為火(りいか) | ☲ 離 | ☲ 離 |
周易 下経 34卦
| NO | 六爻 | 上卦 | 下卦 |
| 31 | 沢山咸(たくざんかん) | ☱ 兌 | ☶ 艮 |
| 32 | 雷風恒(らいふうこう) | ☳ 震 | ☴ 巽 |
| 33 | 天山遯(てんざんとん) | ☰ 乾 | ☶ 艮 |
| 34 | 雷天大壮(らいてんたいそう) | ☳ 震 | ☰ 乾 |
| 35 | 火地晋(かちしん) | ☲ 離 | ☷ 坤 |
| 36 | 地火明夷(ちかめいい) | ☷ 坤 | ☲ 離 |
| 37 | 風火家人(ふうかかじん) | ☴ 巽 | ☲ 離 |
| 38 | 火沢睽(かたくけい) | ☲ 離 | ☱ 兌 |
| 39 | 水山蹇(すいざんけん) | ☵ 坎 | ☶ 艮 |
| 40 | 雷水解(らいすいかい) | ☳ 震 | ☵ 坎 |
| 41 | 山沢損(さんたくそん) | ☶ 艮 | ☱ 兌 |
| 42 | 風雷益(ふうらいえき) | ☴ 巽 | ☳ 震 |
| 43 | 沢天夬(たくてんかい) | ☱ 兌 | ☰ 乾 |
| 44 | 天風姤(てんぷうこう) | ☰ 乾 | ☴ 巽 |
| 45 | 沢地萃(たくちすい) | ☱ 兌 | ☷ 坤 |
| 46 | 地風升(ちふうしょう) | ☷ 坤 | ☴ 巽 |
| 47 | 沢水困(たくすいこん) | ☱ 兌 | ☵ 坎 |
| 48 | 水風井(すいふうせい) | ☵ 坎 | ☴ 巽 |
| 49 | 沢火革(たくかかく) | ☱ 兌 | ☲ 離 |
| 50 | 火風鼎(かふうてい) | ☲ 離 | ☴ 巽 |
| 51 | 震為雷(しんいらい) | ☳ 震 | ☳ 震 |
| 52 | 艮為山(ごんいさん) | ☶ 艮 | ☶ 艮 |
| 53 | 風山漸(ふうさんぜん) | ☴ 巽 | ☶ 艮 |
| 54 | 雷沢帰妹(らいたくきまい) | ☳ 震 | ☱ 兌 |
| 55 | 雷火豊(らいかほう) | ☳ 震 | ☲ 離 |
| 56 | 火山旅(かざんりょ) | ☲ 離 | ☶ 艮 |
| 57 | 巽為風(そんいふう) | ☴ 巽 | ☴ 巽 |
| 58 | 兌為沢(だいたく) | ☱ 兌 | ☱ 兌 |
| 59 | 風水渙(ふうすいかん) | ☴ 巽 | ☵ 坎 |
| 60 | 水沢節(すいたくせつ) | ☵ 坎 | ☱ 兌 |
| 61 | 風沢中孚(ふうたくちゅうふ) | ☴ 巽 | ☱ 兌 |
| 62 | 雷山小過(らいざんしょうか) | ☳ 震 | ☶ 艮 |
| 63 | 水火既済(すいかきせい) | ☵ 坎 | ☲ 離 |
| 64 | 火水未済(かすいびせい) | ☲ 離 | ☵ 坎 |

