【易経】天雷无妄(てんらいむぼう)六四卦 易経 周易で観る八人家族の関係性 六十四卦 二十五番
天雷无妄(てんらいむぼう)

六十四卦の二十五番目に位置するのが、天雷无妄(てんらいむぼう)。長男の震☳卦の上に、父の卦 乾卦(けんけ)が乗っかっている形になります。

上卦は、乾卦☰(けんけ)です。乾卦は陽中の陽を表し、天を表し、家族の中では父を表しています。
下卦は震卦☳(しんけ)です。震卦は陽爻1段の上に陰爻が2段乗った形で、家族においては、長男をあらわします。八卦においては雷を表しています。
六十四卦の二十五番目に位置するのが天雷无妄(てんらいむぼう)です。この卦は、自分の小さな知恵や欲で物事を動かそうとする「作為」を捨て、天の意志(自然の摂理)に従って、純粋無垢に生きることの大切さを説いています。
愛の世界においても、私たちは時として「愛されたい」という欲心から、自分を偽ったり、計算高い行動をとってしまったりすることがあります。しかし、天雷无妄は、見返りを求めない純粋な「真心の作法」こそが、最も強い絆を育むのだと教えてくれるのです。
家族の構成と象徴:父の威厳と長男の純真な躍動
天雷无妄の卦は、上に「乾(けん)」、下に「震(しん)」を配しています。私たちの家族では、上卦の乾は「父」を、下卦の震は「長男」を象徴しています。
父は「天」そのものであり、揺るぎない正しさと威厳を持って家族を包み込みます。一方、長男は「雷」のように力強いエネルギーを持ち、新しいことに挑戦し、家族に活気をもたらす存在です。この卦の形は、父という大いなる天の下で、長男が作為なく、ひたむきに行動している姿を表しています。
乾卦(☰)けんけ)は天を表し、被造されたすべてのものを理(ことわり)に置いてすべてを見つめ、管理し、愛することにおいて無限の愛を持った存在として、家族を包み、物事に対し理(ことわり)を超えない限りにおいて許し、愛することにおいて、寛大な存在であり、

日の光が当たるすべてのことに関心を持ちますが、強い光を当てても隠れる部分においては責任を持たない故に、その理(ことわり)を伝える役目として、長男の震卦(☳)(しんけ)は稲妻のごとく天地に轟かせる役目を担っています。
父と長男の役割は、無形、有形に置いて互いに信頼仕合い、原則に従い運営される天体の動きのごとく 規則正しい法則性を持って運行されます、ただ、それ以上に、家族愛として、父は息子を信頼してなお愛する愛情において、熱烈なため、間違えてしまえば厳格な愛は烈火の如くに激しく、現れます。
无妄(むぼう)とは
「无(む)」は「無」の古字であり、「ない」ことを意味します。「妄(ぼう)」は「女」の上に「亡(ほろびる)」と書くように、筋道が通らず、心が迷い、でたらめな方向に進んでしまうことを表しています。
したがって「无妄」とは、「道理に外れないこと」「偽りやでたらめがないこと」を意味します。家族に対しても、自分に対しても、嘘をつかず、ありのままの心で接すること。これこそが、最上の愛の作法なのです。
无(む)は、無(む)を表すため、目には見えないが存在し、手で触ることも、見つめることもできないが存在する、天を表し、宇宙の天体が、循環し何年、何百年、何千年と変わろうとも、規則性の中で変化なく動くように、愛や、心、といった目には見えないが感じることに対して、表します。それに対し、
妄(ぼう)は、望み、妄想(ぼうそう)妄言(ぼうげん)といった無が具現化したものになります。言葉は、その唇を通して、意味を伝え表します。聖書には、舌は、小さな器かんではあるが、そこから発するものは、壮大であるとも、その舌から出たものは後戻りできないとも言われるように、天 无(む)の願うことを具現化していきます。
故に、无妄(むぼう)とは、天(父)法則性をそのまま伝達する長男としての役割を果たすことであり、自然の理(ことわり)を果たすことを言います。
このことは、別の言い方をすれば、いくら逆らって、作為(さくい)行為をしても、作為的な努力をしても徒労に終わる事を表し、素直に、純粋に、無邪気に物事を進めることが良いと言えます。小手先の技術やテクニックで推し進めるよりは、自分の内なる本☳に従い物事を進めるのが良いと言えます。
この卦は天命に従い、そのことで大いに伸び栄えることを表しています。 正しいことを愚直に守るもの、変わらず行うことで、万事順調に事が進みます。しかし、その道理に反し、策略を練るならば、必ず、災禍(さいか)が降りかかることを知るべきです。
おとなになればなるほどに、経験や、実績に置いて、予見(よけん)しますが、この卦は、そういった予見が邪魔をしていることを表します。
无妄(むぼう)のイメージ
无妄。元亨利貞。其匪正有責。不利有攸往。
「无妄」の時、大いに通じる。貞正であれば良い。正しくない ことや、真実のない行動は災いがあるので、進んで事を行ってはならない
「无妄」は、嘘、偽り、まやかし。
貞正であれば良いとあtるように、無邪気な心、悪意のないいたずら心であれば進んでもよいが、打算や、欲が先立つことは、偽りを作り、小さな嘘は、大きな罪へと広がっていきます。その行動は、周りを巻き込んで、引き返せなくなります。悪は、悪としての仲間を作るのを得意とします。不安や、恐怖を感じるなら、進んではいけません。
无妄(むぼう)の六爻
天雷无妄(てんらいむぼう)は、下から、順番に、初爻、二爻。三爻、四爻、五爻、六爻の並びが、初陽、二陰、三陰、四陽、五陰、上陽と並んだ状態を、天雷无妄(てんらいむぼう)と言います。

六爻の位置は社会的位置を表しています。 初爻は庶民、二爻は士、三爻は大夫(たいふ)、四爻は公卿(こうけい)五爻は、君主、上爻は隠居した君主、あるいは知識人となります。

上陽 自然に任せる、作為(さくい)を施せば、災禍(さいか)が降りかかる。策略をねっても、息詰まり、害のみがのこる。

五陽 思いがけない病気に見舞われる。しかし、一呼吸置き、慌てず、自然の理(ことわり)のまままかせレバ、快癒(かいゆ)する

四陽 正しく、清く 純粋に 正道を守れ、固く守るなら、咎められない。

三陰 思いがけない災難に会う、扉を開けた先に老婆がいて転び、大怪我を負い負債を負ったり、見知らぬものに、儲け話を持ちかけられ、大損する。

二陰 収穫のいかんに関わらず、ひたすらに耕作し、先の事を考えずひたすら、開拓するならば、万事順調に行く、富貴を求めないで、日々の生業に努め、やりおおせよ

初陽 無心に進むなら、志を得て、吉
変卦:愛が動く、変化の法則
易経が説く「変易」の理は、私たちの愛が停滞を破り、新しい調和へと向かうための大いなるきっかけです。
哲学の提示:変化を「真心の試練」として捉える
なぜ、純粋な「无妄」の状態から変化が起こるのでしょうか。それは、あなたの純真さが本物であるかどうかを、天が試しているのかもしれません。変化は、あなたの中に忍び込んだ小さな「エゴ」を取り除き、より透き通った愛へと導くための機(きっかけ)なのです。
人生の浮き沈みと愛の修正
物事が思い通りに進まない時、私たちはつい「どうにかして変えよう」と小細工をしてしまいます。しかし、変卦が示すのは「愛の修正」です。作為を捨て、天の意志に再び身を委ねることで、道は自ずと拓けます。変化を、愛を磨くための研磨剤として受け止めてみてください。
「天雷无妄」の初爻は、力強くも無邪気な「第一歩」でした。その爻が動くことで、事態は「天地否」へと変化します。
「否(ひ)」とは、天と地が離れ離れになり、心が通じ合わない「停滞」の状態を象徴しています。
- 対話の沈黙: あなたが純粋であればあるほど、周り(地=母や子供たち)がそれについていけず、一時的に心が通わなくなるかもしれません。
- 静観の時: 今は無理に説得しようとしたり、強引に動かそうとしたりしてはいけません。天(父)と地(母)が再び出会う時を、静かに待つ忍耐が求められます。
- 内面の充実: 外に向かって何かを成し遂げようとするのをやめ、自分の内側の愛を静かに温め直す時です。不遇の時こそ、あなたの「徳」が試されます。
純粋な躍動(无妄)から、静かな停滞(否)へ。これは、あなたの愛が「自分の熱意」だけではなく、「相手の状態」をも包み込める、より深い大人の愛へと成熟するための、大切な冬の季節なのです。
64卦
周易 上経 30卦
| NO | 六爻 | 上卦 | 下卦 |
| 1 | 乾為天 (けんいてん) | ☰ 乾 | ☰ 乾 |
| 2 | 坤為地(こんいち) | ☷ 坤 | ☷ 坤 |
| 3 | 水雷屯(すいらいちゅん) | ☵ 坎 | ☳ 震 |
| 4 | 山水蒙(さんすいもう) | ☶ 艮 | ☵ 坎 |
| 5 | 水天需(すいてんじゅ) | ☵ 坎 | ☰ 乾 |
| 6 | 天水訟(てんすいしょう) | ☰ 乾 | ☵ 坎 |
| 7 | 地水師(ちすいし) | ☷ 坤 | ☵ 坎 |
| 8 | 水地比(すいちひ) | ☵ 坎 | ☷ 坤 |
| 9 | 風天小畜(ふうてんしょうちく) | ☴ 巽 | ☰ 乾 |
| 10 | 天沢履(てんたくり) | ☰ 乾 | ☱ 兌 |
| 11 | 地天泰(ちてんたい) | ☷ 坤 | ☰ 乾 |
| 12 | 天地否(てんちひ) | ☰ 乾 | ☷ 坤 |
| 13 | 天火同人(てんかどうじん) | ☰ 乾 | ☲ 離 |
| 14 | 火天大有(かてんたいゆう) | ☲ 離 | ☰ 乾 |
| 15 | 地山謙(ちざんけん) | ☷ 坤 | ☶ 艮 |
| 16 | 雷地豫(らいちよ) | ☳ 震 | ☷ 坤 |
| 17 | 沢雷随(たくらいずい) | ☱ 兌 | ☳ 震 |
| 18 | 山風蠱(さんぷうこ) | ☶ 艮 | ☴ 巽 |
| 19 | 地沢臨(ちたくりん) | ☷ 坤 | ☱ 兌 |
| 20 | 風地観(ふうちかん) | ☴ 巽 | ☷ 坤 |
| 21 | 火雷噬嗑(からいぜいこう) | ☲ 離 | ☳ 震 |
| 22 | 山火賁(さんかひ) | ☶ 艮 | ☳ 震 |
| 23 | 山地剥(さんちはく) | ☶ 艮 | ☷ 坤 |
| 24 | 地雷復(ちらいふく) | ☷ 坤 | ☳ 震 |
| 25 | 天雷无妄(てんらいむぼう) | ☰ 乾 | ☳ 震 |
| 26 | 山天大畜(さんてんたいちく) | ☶ 艮 | ☰ 乾 |
| 27 | 山雷頤(さんらいい) | ☶ 艮 | ☳ 震 |
| 28 | 沢風大過(たくふうたいか) | ☱ 兌 | ☴ 巽 |
| 29 | 坎為水(かんいすい) | ☵ 坎 | ☵ 坎 |
| 30 | 離為火(りいか) | ☲ 離 | ☲ 離 |
周易 下経 34卦
| NO | 六爻 | 上卦 | 下卦 |
| 31 | 沢山咸(たくざんかん) | ☱ 兌 | ☶ 艮 |
| 32 | 雷風恒(らいふうこう) | ☳ 震 | ☴ 巽 |
| 33 | 天山遯(てんざんとん) | ☰ 乾 | ☶ 艮 |
| 34 | 雷天大壮(らいてんたいそう) | ☳ 震 | ☰ 乾 |
| 35 | 火地晋(かちしん) | ☲ 離 | ☷ 坤 |
| 36 | 地火明夷(ちかめいい) | ☷ 坤 | ☲ 離 |
| 37 | 風火家人(ふうかかじん) | ☴ 巽 | ☲ 離 |
| 38 | 火沢睽(かたくけい) | ☲ 離 | ☱ 兌 |
| 39 | 水山蹇(すいざんけん) | ☵ 坎 | ☶ 艮 |
| 40 | 雷水解(らいすいかい) | ☳ 震 | ☵ 坎 |
| 41 | 山沢損(さんたくそん) | ☶ 艮 | ☱ 兌 |
| 42 | 風雷益(ふうらいえき) | ☴ 巽 | ☳ 震 |
| 43 | 沢天夬(たくてんかい) | ☱ 兌 | ☰ 乾 |
| 44 | 天風姤(てんぷうこう) | ☰ 乾 | ☴ 巽 |
| 45 | 沢地萃(たくちすい) | ☱ 兌 | ☷ 坤 |
| 46 | 地風升(ちふうしょう) | ☷ 坤 | ☴ 巽 |
| 47 | 沢水困(たくすいこん) | ☱ 兌 | ☵ 坎 |
| 48 | 水風井(すいふうせい) | ☵ 坎 | ☴ 巽 |
| 49 | 沢火革(たくかかく) | ☱ 兌 | ☲ 離 |
| 50 | 火風鼎(かふうてい) | ☲ 離 | ☴ 巽 |
| 51 | 震為雷(しんいらい) | ☳ 震 | ☳ 震 |
| 52 | 艮為山(ごんいさん) | ☶ 艮 | ☶ 艮 |
| 53 | 風山漸(ふうさんぜん) | ☴ 巽 | ☶ 艮 |
| 54 | 雷沢帰妹(らいたくきまい) | ☳ 震 | ☱ 兌 |
| 55 | 雷火豊(らいかほう) | ☳ 震 | ☲ 離 |
| 56 | 火山旅(かざんりょ) | ☲ 離 | ☶ 艮 |
| 57 | 巽為風(そんいふう) | ☴ 巽 | ☴ 巽 |
| 58 | 兌為沢(だいたく) | ☱ 兌 | ☱ 兌 |
| 59 | 風水渙(ふうすいかん) | ☴ 巽 | ☵ 坎 |
| 60 | 水沢節(すいたくせつ) | ☵ 坎 | ☱ 兌 |
| 61 | 風沢中孚(ふうたくちゅうふ) | ☴ 巽 | ☱ 兌 |
| 62 | 雷山小過(らいざんしょうか) | ☳ 震 | ☶ 艮 |
| 63 | 水火既済(すいかきせい) | ☵ 坎 | ☲ 離 |
| 64 | 火水未済(かすいびせい) | ☲ 離 | ☵ 坎 |

