【易経】山地剝(さんちはく)六四卦 易経 周易で観る八人家族の関係性 六十四卦 二十三番
山地剝(さんちはく)

六十四卦の二十三番目に位置するのが、山地剝(さんちはく)。母の☷坤卦(こんけ)の上に未子である☶艮卦(ごんけ)が乗っかっている形になります。

上卦は艮卦☶(ごんけ)です。艮卦は陰爻2段の上に陽爻が乗った形で、家族においては末っ子 三男をあらわします。八卦においては山を表しています。
下卦は、坤卦☷(こんけ)です。坤卦は陰中の陰を表し、家族においては母親であり、八卦においては地を表しています。
六十四卦の二十三番目に位置するのが山地剥(さんちはく)です。この卦は、私たちの周りにある形あるものが一つ、また一つとはぎ取られていくような、一見すると試練のような時を象徴しています。
しかし、真実の愛とは、すべてを失ったときにこそ、その純粋な輝きを放つものです。山から土が削り取られ、厳しい冬が訪れるように、私たちの人生にも「削ぎ落とされる時」があります。それは、うわべの飾りを去り、心の一番大切な核——真心だけを取り出すための、慈愛に満ちた浄化の時間なのです。
(小人の勢いが盛んなり君子を剥害する時に当る)と易教に記載されています。この山地剥(さんちはく)は母親の上に末っ子が乗っかっている姿です。大地から山が大きく背伸びしている姿といえます。ただこのヤンチャな末っ子は遊び盛りに背伸びをして母親に対して自分はもう立派な大人だと母の前で大きく見せようと踏ん張っています。

下卦の陰爻が続いた上に陰2段 合わせて5段の上に陽爻が競り上がっているため、バランスを崩して土砂災害を起こしています。山肌は高く背伸びした重さに耐えかねて剥がれ落ちていきます。安定していない 高望みによって剥がれ落ちてしまっているのです。
この山地剝(さんちはく)は衰退の象であり、母親の苦労を介さず、自分を高く見せる山にゆえに、崩れ落ちる相といえます。陰爻5段に対し上卦が重たくのしかかり、母親の負担が大きいことを示しています、山は高くなれば少しの地震の揺れや大雨により土砂災害を起こします。下にいる母の愛を忘れ上に伸びてゆこうとする末っ子の想いは、労りの心を忘れ、勝手気ままに上り詰めようとする危ない位置にいることを山地剝(さんちはく)は示しています。
これは、卦の形からも下の陰爻が唯一残る陽爻を侵食していく様を表しています、栄枯盛衰の末路文化の爛熟(らんじゅく)期が一気に衰退する社会的衰滅(衰滅)を言い表しています。
山地剥の卦は、上に「艮(ごん)」、下に「坤(こん)」を配しています。私たちの家族では、上卦の艮は「三男」を、下卦の坤は「母」を象徴しています。
三男は、家族の中で最も若く、高い理想を持つ「山」のような存在です。しかし、この卦では、その山の麓を陰の勢いが浸食し、山が崩れ落ちようとしています。ここで下から三男を支えているのは、大地である「母」です。母は、三男がどれほど傷つき、自尊心を削られるような思いをしていても、黙ってそのすべてを受け止め、自分の身を削ってでも彼を支え続けます。
剥(はく)とは、
剥(はく)ほ文字のごとく、剥離の意味を持っていて、剥ぎ取る、裂くことです。表面的に咲かれることでもありますが、内面としても、咲かれることを意味します。ものごとがうまくいかず、悲運なことが続いていくことです。剥離というと無理やり、剥がされることでもあり、力ずくで剥がされたり、自分以外の他者に落とし込められた状態を剥(はく)は暗示しています。このような自分でどうしようもないこと、たとえば天災によって引き起こされるのが、大雨、ゲリラ豪雨のように突発的なこと、突然の交通事故、地震などにおいて予期しない状況に会うなどあります。また、内面においても、昨日まで仲良しだと思っていた友達にいじめられたり、信頼していた夫が、浮気をしていたといった心に傷つけられることなど、自分では予知できないことは、突然のことで、防ぐことができない無理やり剥がされる感覚を言います。
卦名の「剥」という字、そして「愛」という字。一見すると対極にあるような二つの文字には、実は深い共通点があります。
「剥」:新しい命を取り出すために
「剥(はく)」という字は、刀で獣の皮をはぎ取る様子を表しています。恐ろしい言葉に聞こえるかもしれませんが、これは「中身を包んでいる殻を取り除く」という意味でもあります。
果物の皮を剥かなければ、甘い果肉を味わうことはできません。同様に、私たちの心も、プライドや見栄という硬い皮を「剥(む)く」ことで、初めて剥き出しの純粋な愛にたどり着けるのです。山地剥の時期は、私たちがより深く愛し合うために、魂の皮を剥いて真実の姿に戻るプロセスなのです。
剥(はく)のイメージ
剝 。不利有攸往
「剥」の時、進んで事を行なってはならない。
「剥」は、はぎとる。
衰退、交代を意味し、小人(非常識)がはびこります。困難、苦労が重なり、物事を強引に行っても得るものがありません。葛藤があるのなら、引き裂かれうまくいきません。このようなときに行動してはなりません。剥離とは、無理やりはがされることがあります。自分の内面を清めることに注意を注ぎましょう。
剥(はく)の六爻
山地剝(さんちはく)の六爻は、下から、順番に、初爻、二爻。三爻、四爻、五爻、六爻の並びが、初陰、二陰、三陰、四陰、五陰、上陽と並んだ状態を、山地剝(さんちはく)と言います。

六爻の位置は社会的位置を表しています。 初爻は庶民、二爻は士、三爻は大夫(たいふ)、四爻は公卿(こうけい)五爻は、君主、上爻は隠居した君主、あるいは知識人となります。

上陽 梢(こずえ)に見事な実ひとつ、食べられることなく残る。衰退の世において、残った大物、やがてm人々から、希望の君子として推戴(すいたい)される。屋根がなくなれば、守るものがんくなることを知り、小人は身を案ずる場所さえなくなる。

五陰 皇后(女帝)が女官たちをしっかりと統率するのならば、上陽の寵愛を受け、最後の咎めは免れる、忍耐し万事順調にいく。ここにおいて、秩序ルールを固めなければ壊れる。

四陰 寝台の破壊が台上の人にまで及ぶ、危険は身近に迫った、凶

三陰 ついに破壊、崩壊 しかし上司、君子の指導を受けて小人と離れるなら咎めはないだろう

二陰 破壊は足の根本まで達している。気づかない間に、危険は近づいてきている。秩序、ルールが壊されていく。

初陰 寝台を壊す。基本となる足元がガタガタになる。危険が足元に忍び寄り、秩序が崩壊する、凶
変卦:愛が動く、変化の法則
易経が教える「変易」の理は、どんなに深い闇も必ず明けることを約束しています。
哲学の提示:変化を「新生の準備」として捉える
なぜ、山が剥ぎ取られるような過酷な変化が起こるのでしょうか。それは、古い自分を一度終わらせなければ、新しい自分として生まれ変わることができないからです。万物は変化し続けますが、その変化の目的は常に「より純粋な生命の輝き」へと向かうことにあります。
人生の浮き沈みと愛の修正
人生のどん底で経験する「剥(はく)」は、あなたの愛を本物にするための修正期間です。豊かだったときには見えなかった、母の本当の優しさや、父の深い覚悟に気づくことができたなら、その「沈み」はあなたにとって最大の「学び」となります。
具体的な変化:山地剥から坤為地へ
今回の物語では、第六爻(じょうこう)が動きました。これは、すべての試練が終わり、新しい世界が始まろうとしている、感動的な転換点です。
運気の具体的な変化:
「山地剥」の上爻は、一つだけ残った尊い「愛の種」です。その種が大地に落ち、爻が動くことで、事態は究極の母性の卦である「坤為地」へと変化します。
「坤(こん)」とは、すべてを産み出し、慈しみ育てる「大いなる大地」です。
- 再生と受容: 崩れ落ちた山は、平らで豊かな大地へと姿を変えました。これまでの苦労が報われ、すべてを受け入れ、育む「母の愛」に満たされる時期に入ります。
- 従順の美徳: 自分が先頭に立って動くのではなく、天の導きや周りの人々の愛に身を任せる(従順になる)ことで、万事がうまくいくようになります。
- 豊かな実り: 剥ぎ取られた経験が「肥やし」となり、あなたの人生には以前よりも豊かで深い実りがもたらされるでしょう。
厳しい山の冬から、命を育む広大な大地へ。あなたの愛は今、個人的なこだわりを捨て、すべてを包み込む「聖なる母性」へと大きく進化しようとしています。
64卦
周易 上経 30卦
| NO | 六爻 | 上卦 | 下卦 |
| 1 | 乾為天 (けんいてん) | ☰ 乾 | ☰ 乾 |
| 2 | 坤為地(こんいち) | ☷ 坤 | ☷ 坤 |
| 3 | 水雷屯(すいらいちゅん) | ☵ 坎 | ☳ 震 |
| 4 | 山水蒙(さんすいもう) | ☶ 艮 | ☵ 坎 |
| 5 | 水天需(すいてんじゅ) | ☵ 坎 | ☰ 乾 |
| 6 | 天水訟(てんすいしょう) | ☰ 乾 | ☵ 坎 |
| 7 | 地水師(ちすいし) | ☷ 坤 | ☵ 坎 |
| 8 | 水地比(すいちひ) | ☵ 坎 | ☷ 坤 |
| 9 | 風天小畜(ふうてんしょうちく) | ☴ 巽 | ☰ 乾 |
| 10 | 天沢履(てんたくり) | ☰ 乾 | ☱ 兌 |
| 11 | 地天泰(ちてんたい) | ☷ 坤 | ☰ 乾 |
| 12 | 天地否(てんちひ) | ☰ 乾 | ☷ 坤 |
| 13 | 天火同人(てんかどうじん) | ☰ 乾 | ☲ 離 |
| 14 | 火天大有(かてんたいゆう) | ☲ 離 | ☰ 乾 |
| 15 | 地山謙(ちざんけん) | ☷ 坤 | ☶ 艮 |
| 16 | 雷地豫(らいちよ) | ☳ 震 | ☷ 坤 |
| 17 | 沢雷随(たくらいずい) | ☱ 兌 | ☳ 震 |
| 18 | 山風蠱(さんぷうこ) | ☶ 艮 | ☴ 巽 |
| 19 | 地沢臨(ちたくりん) | ☷ 坤 | ☱ 兌 |
| 20 | 風地観(ふうちかん) | ☴ 巽 | ☷ 坤 |
| 21 | 火雷噬嗑(からいぜいこう) | ☲ 離 | ☳ 震 |
| 22 | 山火賁(さんかひ) | ☶ 艮 | ☳ 震 |
| 23 | 山地剥(さんちはく) | ☶ 艮 | ☷ 坤 |
| 24 | 地雷復(ちらいふく) | ☷ 坤 | ☳ 震 |
| 25 | 天雷无妄(てんらいむぼう) | ☰ 乾 | ☳ 震 |
| 26 | 山天大畜(さんてんたいちく) | ☶ 艮 | ☰ 乾 |
| 27 | 山雷頤(さんらいい) | ☶ 艮 | ☳ 震 |
| 28 | 沢風大過(たくふうたいか) | ☱ 兌 | ☴ 巽 |
| 29 | 坎為水(かんいすい) | ☵ 坎 | ☵ 坎 |
| 30 | 離為火(りいか) | ☲ 離 | ☲ 離 |
周易 下経 34卦
| NO | 六爻 | 上卦 | 下卦 |
| 31 | 沢山咸(たくざんかん) | ☱ 兌 | ☶ 艮 |
| 32 | 雷風恒(らいふうこう) | ☳ 震 | ☴ 巽 |
| 33 | 天山遯(てんざんとん) | ☰ 乾 | ☶ 艮 |
| 34 | 雷天大壮(らいてんたいそう) | ☳ 震 | ☰ 乾 |
| 35 | 火地晋(かちしん) | ☲ 離 | ☷ 坤 |
| 36 | 地火明夷(ちかめいい) | ☷ 坤 | ☲ 離 |
| 37 | 風火家人(ふうかかじん) | ☴ 巽 | ☲ 離 |
| 38 | 火沢睽(かたくけい) | ☲ 離 | ☱ 兌 |
| 39 | 水山蹇(すいざんけん) | ☵ 坎 | ☶ 艮 |
| 40 | 雷水解(らいすいかい) | ☳ 震 | ☵ 坎 |
| 41 | 山沢損(さんたくそん) | ☶ 艮 | ☱ 兌 |
| 42 | 風雷益(ふうらいえき) | ☴ 巽 | ☳ 震 |
| 43 | 沢天夬(たくてんかい) | ☱ 兌 | ☰ 乾 |
| 44 | 天風姤(てんぷうこう) | ☰ 乾 | ☴ 巽 |
| 45 | 沢地萃(たくちすい) | ☱ 兌 | ☷ 坤 |
| 46 | 地風升(ちふうしょう) | ☷ 坤 | ☴ 巽 |
| 47 | 沢水困(たくすいこん) | ☱ 兌 | ☵ 坎 |
| 48 | 水風井(すいふうせい) | ☵ 坎 | ☴ 巽 |
| 49 | 沢火革(たくかかく) | ☱ 兌 | ☲ 離 |
| 50 | 火風鼎(かふうてい) | ☲ 離 | ☴ 巽 |
| 51 | 震為雷(しんいらい) | ☳ 震 | ☳ 震 |
| 52 | 艮為山(ごんいさん) | ☶ 艮 | ☶ 艮 |
| 53 | 風山漸(ふうさんぜん) | ☴ 巽 | ☶ 艮 |
| 54 | 雷沢帰妹(らいたくきまい) | ☳ 震 | ☱ 兌 |
| 55 | 雷火豊(らいかほう) | ☳ 震 | ☲ 離 |
| 56 | 火山旅(かざんりょ) | ☲ 離 | ☶ 艮 |
| 57 | 巽為風(そんいふう) | ☴ 巽 | ☴ 巽 |
| 58 | 兌為沢(だいたく) | ☱ 兌 | ☱ 兌 |
| 59 | 風水渙(ふうすいかん) | ☴ 巽 | ☵ 坎 |
| 60 | 水沢節(すいたくせつ) | ☵ 坎 | ☱ 兌 |
| 61 | 風沢中孚(ふうたくちゅうふ) | ☴ 巽 | ☱ 兌 |
| 62 | 雷山小過(らいざんしょうか) | ☳ 震 | ☶ 艮 |
| 63 | 水火既済(すいかきせい) | ☵ 坎 | ☲ 離 |
| 64 | 火水未済(かすいびせい) | ☲ 離 | ☵ 坎 |

