風地観(ふうちかん)

六十四卦の二十番目に位置するのが、風地観(ふうちかん)。に母である☷坤卦(ごんけ)の上に長女である☴巽卦が乗っかっている形になります。

坤卦(こんけ)です。坤卦は陰中の陰を表し、家族においては母親であり、八卦においては地を表しています。

上卦は、巽卦☴(そんけ)です。巽卦は、陰爻の上に陽爻が2段乗った形です。家族の中では、長女を表し、八卦においては風を表しています。

下卦は、坤卦☷(こんけ)です。坤卦は陰中の陰を表し、家族においては母親であり、八卦においては地を表しています。


六十四卦の二十番目に位置するのが風地観です。この卦は、目に見える形を超えて、その奥底に流れる真実の愛をじっと見つめることの大切さを私たちに教えてくれます。八人の家族が共に暮らし、泣き笑い、支え合う日々の中で、私たちはどれほど深く相手を「観て」いるでしょうか。風が大地の上を渡り、隅々までその息吹を届けるように、私たちの愛もまた、家族一人ひとりの心のひだにまで行き渡るものでありたいと願っています 。

家族の構成と象徴:母の包容力と長女の感性が奏でる調和

風地観の卦は、上卦に「巽(そん)」、下卦に「坤(こん)」を配した形をしています。私たちの八人家族の配役において、上卦の巽は「長女」を、下卦の坤は「母」を象徴しています。この組み合わせが意味するのは、どっしりと動かない大地である母の愛の上を、自由でしなやかな風である長女の感性が吹き抜けていく、非常に美しい光景です 。

母は、家族という大地そのものです。すべてを受け入れ、すべてを育み、文句ひとつ言わずに私たちを支えてくれます。そして長女は、その母の献身的な姿を、誰よりも鋭敏に、そして優しく見守っています。長女という風は、母という大地のわずかな変化——例えば、母の疲れや、母が隠している小さな喜び——を敏感に察知し、それを家族全体の調和へと変えていく力を持っています 。

この母と長女の結びつきは、家族における「観る」という行為の土台となります。母が黙って家族を支える姿を、長女が深く理解し、感化される。その「観る側」と「観られる側」の深い信頼関係こそが、風地観の根幹にある愛の作法なのです 。

愛の解釈:静寂の中に宿る「真心の作法」

風地観が教える愛の形は、けっして騒がしいものではありません。それは、祭祀において手を洗い清めた直後、まだ供え物を捧げる前の、凛とした静寂の中に宿る誠実な心に例えられます 。私たちは愛を「表現すること」に一生懸命になりがちですが、風地観は「ただそこに在り、誠実に相手を観る」ことの尊さを説いています。

自然現象と家族の触れ合いが教えるもの

広大な大地を風が吹き渡るとき、風は地上の草木一本一本に触れながら、同時に大地全体の姿を俯瞰しています。これを家族の愛に置き換えると、個々の悩みを知りながらも、家族全体が向かうべき方向を温かく見守る「大局的な愛」となります。

例えば、次男が人生の岐路に立ち、人知れず悩んでいるとき。父や母は、すぐに答えを教えるのではなく、次男が自ら答えを見つけるのを、一歩引いた場所から静かに観ています。この「見守る」という行為は、実は何よりもエネルギーを必要とする愛の作法です。相手を信じていなければ、人は不安に駆られて口を出してしまいます。しかし、風地観の境地にある家族は、相手の中にある神聖な芽吹きを信じ、ただ静かに寄り添うのです 。

このように、相手を裁かず、コントロールしようとせず、ありのままを「観る」ことは、相手の魂に対する最高の敬意となります。この静かな愛の眼差しこそが、家族を安心感で満たし、一人ひとりが自分らしく輝くための「徳」の温床となるのです 。

観(かん)とは、

坤卦(こんけ)は大草原であり、生命を生み出す畑となり、生命の種を蒔かれれば、育てる土壌となる母なる大地です、その母なる大地の上をゆるやかに流れる風が、巽卦(そんけ)です。長女としての巽卦(そんけ)は、隙間なくどこ絵でも回り込み、みえないとこがないほどに風の性格を持ち、舞います。母の愛と、熟された女性としての長女の愛は、細やかで繊細でありながら、優しく物事を見つめ、よく熟成された思考を持っています。その愛は、見落とすとすことがなく、絶えず気を配っています、全ての事柄を観察しています。

(観)は、よく観ることであり、観察することでもありますが、ただ単に外界を見つめることだけでなく、その物事に対しての成り立ちや、内面といった内容も含まれています。人の心のうちにある、良心は、絶えず人を正しい方向に引っ張っていきます。その純粋な心をも観察して、どのように進むかを決めることを、観(かん)は表しています。小さな家庭のうちでなら良いとされたものが、地域、町、社会、国となると、国を守るリーダーの品性が現れます。君主がただし苦なければならないために、物事の本質を見ることが必要であることを、観(かん)は訴えています。

これは、天下を収めた聖王と言われた良心的な王の心を見抜いた言葉として、下の言葉が挙げられます。

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古代中華の王、堯王(ぎょうおう)の 允恭克譲(いんきょうこくじょう)心から慎み、謙虚な態度を維持する

湯王(とうおう)の不敢怠遑(ふかんたいこう)常に(おこ)足らぬ、

文王の祗畏(しい)ひたすらに畏敬の念を思い慎む

表面だけではなく、内面をよく見ることを観(かん)は訴えています、

易経では「観」を、下の人々が上の人の徳を仰ぎ見ること、そして上の人が下の民の暮らしを観察することの双方向として捉えます 。家族において、これは「範を示す愛」となります。

父が自らの仕事を誠実にこなし、母が真心を込めて日々の生活を整える。その姿を、長男、次男、三男、そして三人の娘たちが観ています。言葉で「愛し合いなさい」と説くよりも、親が互いを尊重し、慈しみ合う姿を子供たちに「観せる」こと。それこそが、最も確かな愛の教育となります。子供たちは親の背中を観て、愛の作法を学び、やがて自らも誰かを温かく観る力を養っていくのです 。

「観」という字は、古い字体では「觀」と書きます。左側の「雚(かん)」は、頭に飾り羽を持つコウノトリやフクロウのような鳥を表し、古来、神意を伝える神聖な存在とされてきました 。右側の「見」は、人が大きく目を見開いている姿です。

つまり「観」とは、表面的な美しさや損得を「見る」のではなく、神聖な鳥のように高い視点から、物事の本質や相手の心の真実を「射抜くように見る」ことを意味しています 。家族に対しても、単に「勉強をしているか」「家事を手伝っているか」という外面を見るのではなく、その行動の裏にある「寂しさ」や「誰かの役に立ちたいという願い」を観ることが、風地観の教えです。

風地観(ふうちかん)のイメージ

観。盥而不薦。有孚顒若。
「観」の時、不浄をやめ、身を清め、。誠が満ちていて、すべてのことが厳粛に行われる。

「観」は、観察、物を見つめること
近くに 衰運や変動の兆しがあります。良くものを見るとは、環境だけでなく、内なる心,良心に尋ねる時間を持ち、内面を探ることです。熟考するとは、掘り下げて内面を見つめることです。周りで起こる問題は、自分の心が引っかかっ意識が向くことで起こります。心のメンタルシグナルは、気づきとしてあらわれます。不浄をやめ、身を清めましょう。

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風地観(ふうちかん)の六爻

風地観(ふうちかん)の六爻は下から、順番に、初爻、二爻。三爻、四爻、五爻、六爻の並びが、初陰、二陰、三陰、四陰、五陽、上陽と並んだ状態を、風地観(ふうちかん)と言います。

六爻の位置は社会的位置を表しています。 初爻は庶民、二爻は士、三爻は大夫(たいふ)、四爻は公卿(こうけい)五爻は、君主、上爻は隠居した君主、あるいは知識人となります。

上陽 民生を観る。ことを見て、満足して、気を緩めてはならない。君子の道に叶っていれば、咎められない。

五陽 民度は、国の品性である、国のリーダーは、国民を見て」我が身を振り枯れ、君子の道に叶っていれば、咎められない。

四陰 国の栄光を見る。それをさらに進展させることを願えば、国の賓客(賓客)として、優遇。されるだろう、

三陰 我が身の日々の行いを顧みて、身体を決める必要がある。さすれば、道を失わず、に住む。

二陰 視野の狭い御方、家庭を守る婦女子においては良いが、社会、国を守るものとしては恥ずべきものである。

初陰 幼稚な思考、御方、幼い者なら咎めないが、分別ができるものにとっては災い

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変卦:愛が動く、変化の法則

易経が説く「変易(へんえき)」とは、万物が一刻も休まずに変化し続けているという真理です。愛の形もまた、固定されたものではありません。子供たちが成長し、親が年を重ねるように、私たちの愛もまた、季節の移ろいと共に形を変えていきます。

哲学の提示:変化を「機(きっかけ)」として捉える

なぜ、易経は変化を説くのでしょうか。それは、変化こそが私たちの魂を磨き、愛を深めるための「機(きっかけ)」だからです。

もし、人生が凪のように穏やかで何の変化もなければ、私たちは相手を「観る」ことを忘れてしまうかもしれません。何かが変わり、揺らぎが生じるからこそ、私たちは「今の愛で十分だろうか」と問い直し、より深い真心の作法へと向かうことができるのです。

人生の浮き沈みと愛の修正

人生には、晴れ渡る日もあれば、激しい嵐の日もあります。どん底の時に現れる「変卦」は、あなたが「本当の愛」を思い出すための警鐘かもしれません。逆に最高潮の時の変化は、あなたが傲慢にならず、謙虚に相手を観続けるための戒めかもしれません。

すべての変化は、「愛の習得」に関わっています。愛が欠落していたり、間違った方向に向いていたりするとき、運命は「変化」という形をとって、私たちに軌道修正を促します。それは宇宙からの、そして神様からの、慈愛に満ちたメッセージなのです。

運気の具体的な変化:

「風地観」の二爻は、隙間からこっそり覗くような、少し自信のなさや、身近なことだけに囚われた視点でした 。しかし、その爻が動くことで、事態は「風水渙」へと展開します。

「渙(かん)」とは、春の温かい風が吹き、冬の間にカチカチに凍りついていた氷が解けて流れ出すことを象徴しています 。

  • わだかまりの解消: 家族の間で解けなかった誤解や、心のしこりが、まるで春の陽気のように穏やかに解消されていく兆しです 。
  • 苦難からの解放: これまで抱えてきた重荷から解き放たれ、心が軽やかになります。勇気を持って一歩踏み出すことで、新しい愛の形が見えてくるでしょう 。
  • 散らして広げる: 自分の殻(狭い視点)に閉じこもるのをやめ、愛をより広く、より遠くへと循環させていく時が来ました 。

もし今、あなたが何かに行き詰まりを感じているなら、それは「愛の修正」が行われ、新しい風が吹き込むサインです。固執していた思いをさらさらと流し、透明な心で家族に向き合ってみてください 。

64卦

周易 上経 30卦

NO六爻上卦下卦
1乾為天 (けんいてん)☰ 乾 ☰ 乾
2坤為地(こんいち)☷ 坤☷ 坤
3水雷屯(すいらいちゅん)☵ 坎 ☳ 震
4山水蒙(さんすいもう)☶ 艮 ☵ 坎
5水天需(すいてんじゅ)☵ 坎 ☰ 乾
6天水訟(てんすいしょう)☰ 乾 ☵ 坎
7地水師(ちすいし)☷ 坤 ☵ 坎
8水地比(すいちひ)☵ 坎☷ 坤
9風天小畜(ふうてんしょうちく)☴ 巽☰ 乾
10天沢履(てんたくり)☰ 乾 ☱ 兌
11地天泰(ちてんたい)☷ 坤 ☰ 乾
12天地否(てんちひ)☰ 乾 ☷ 坤
13天火同人(てんかどうじん)☰ 乾 ☲ 離
14火天大有(かてんたいゆう)☲ 離 ☰ 乾
15地山謙(ちざんけん) ☷ 坤 ☶ 艮
16雷地豫(らいちよ)☳ 震 ☷ 坤
17沢雷随(たくらいずい)☱ 兌 ☳ 震
18山風蠱(さんぷうこ)☶ 艮 ☴ 巽
19地沢臨(ちたくりん)☷ 坤 ☱ 兌
20風地観(ふうちかん)☴ 巽 ☷ 坤
21火雷噬嗑(からいぜいこう)☲ 離 ☳ 震
22山火賁(さんかひ)☶ 艮 ☳ 震
23山地剥(さんちはく)☶ 艮 ☷ 坤
24地雷復(ちらいふく)☷ 坤 ☳ 震
25天雷无妄(てんらいむぼう)☰ 乾 ☳ 震
26山天大畜(さんてんたいちく)☶ 艮 ☰ 乾
27山雷頤(さんらいい)☶ 艮 ☳ 震
28沢風大過(たくふうたいか)☱ 兌☴ 巽
29坎為水(かんいすい)☵ 坎 ☵ 坎
30離為火(りいか)☲ 離 ☲ 離

周易 下経 34卦

NO六爻上卦下卦
31沢山咸(たくざんかん)☱ 兌 ☶ 艮
32雷風恒(らいふうこう)☳ 震☴ 巽
33天山遯(てんざんとん)☰ 乾☶ 艮
34雷天大壮(らいてんたいそう)☳ 震 ☰ 乾
35火地晋(かちしん)☲ 離 ☷ 坤
36地火明夷(ちかめいい)☷ 坤 ☲ 離
37風火家人(ふうかかじん)☴ 巽 ☲ 離
38火沢睽(かたくけい)☲ 離 ☱ 兌
39水山蹇(すいざんけん)☵ 坎 ☶ 艮
40雷水解(らいすいかい)☳ 震 ☵ 坎
41山沢損(さんたくそん)☶ 艮 ☱ 兌
42風雷益(ふうらいえき)☴ 巽 ☳ 震
43沢天夬(たくてんかい)☱ 兌 ☰ 乾
44天風姤(てんぷうこう)☰ 乾 ☴ 巽
45沢地萃(たくちすい)☱ 兌☷ 坤
46地風升(ちふうしょう)☷ 坤☴ 巽
47沢水困(たくすいこん)☱ 兌☵ 坎
48水風井(すいふうせい)☵ 坎 ☴ 巽
49沢火革(たくかかく)☱ 兌 ☲ 離
50火風鼎(かふうてい)☲ 離 ☴ 巽
51震為雷(しんいらい)☳ 震 ☳ 震
52艮為山(ごんいさん)☶ 艮 ☶ 艮
53風山漸(ふうさんぜん)☴ 巽 ☶ 艮
54雷沢帰妹(らいたくきまい)☳ 震 ☱ 兌
55雷火豊(らいかほう)☳ 震 ☲ 離
56火山旅(かざんりょ)☲ 離 ☶ 艮
57巽為風(そんいふう)☴ 巽 ☴ 巽
58兌為沢(だいたく)☱ 兌 ☱ 兌
59風水渙(ふうすいかん)☴ 巽 ☵ 坎
60水沢節(すいたくせつ)☵ 坎 ☱ 兌
61風沢中孚(ふうたくちゅうふ)☴ 巽 ☱ 兌
62雷山小過(らいざんしょうか)☳ 震 ☶ 艮
63水火既済(すいかきせい)☵ 坎 ☲ 離
64火水未済(かすいびせい)☲ 離 ☵ 坎