【易経】坤為地(こんいち) 六四卦 易経 周易で観る八人家族の関係性 六十四卦 二番
坤為地(こんいち)

六十四卦の二番目に位置するのが、坤為地(こんいち)となります。坤為地(こんいち)があらわす卦は、坤卦(ごんけ)の上に坤卦(ごんけ)が乗っかってあらわれます。

上卦 下卦は坤卦☷(こんけ)です。坤卦は陰中の陰を表し、家族の中では母を表して、八卦においては地を表します。
六十四卦の二番目に位置するのが坤為地(こんいち)です。この卦は、六本の爻(こう)すべてが「陰」の記号で構成されており、混じりけのない純粋な地の徳、すなわち究極の「受容」と「献身」を象徴しています 。易経の壮大な物語において、一番目の「乾為天(けんいてん)」が父なる空、すなわち万物の創造の意志を司るのに対し、この坤為地は母なる大地として、その意志を受け止め、具体的な形ある命へと育む役割を担っています 。
八人家族の愛の世界という観点からこの卦を紐解くとき、そこには単なる「大人しさ」ではなく、すべてを包み込み、耐え忍び、そして無限の慈悲で再生させる「母」の圧倒的な存在感が浮かび上がります。本報告書では、この坤為地が教える「愛の作法」を、岐阜の美しい山河の情景と重ね合わせながら、家族が調和して生きるための叡智として探求していきます 。
家族の構成と象徴:母なる大地の揺るぎない座
坤為地は、上卦も坤(地)、下卦も坤(地)という、大地が二重に重なった形をしています。八人家族の中で「母」を象徴するこの卦が示すのは、家族という小宇宙を底辺から支える二重の基盤です 。母は、夫である父(乾)を立て、六人の子供たちがそれぞれの個性を開花させるための「土壌」そのものとなります。
八人家族における役割の定義と相互作用
家族八人の役割を易経の八卦に対応させると、坤為地におけるそれぞれの立ち位置がより明確になります。以下の表は、坤(母)を中心とした家族の力学的構造を示したものです。
陰爻(⚋)は太極が分かれたときに陽爻、陰交に別れた片割れです。性格は、陽爻の真逆、男性に対しての女性、オスの対してのメス、雄しべに対しての雌しべというように、真逆です。
しかし、陰爻がなければ陽爻は存在しません。分子において陰分子がなければ陽分子は存在せず。電子が存在しなければ、原子も存在しません。つまり陽爻にとって陰交はとても大切な存在であるといえます。
坤為地の世界を物語風に解釈するならば、それは「牝馬(ひんば)の愛」と呼ぶことができます。易経の卦辞には「牝馬の貞(てい)」という言葉がありますが、これは足腰の強い牝馬が、従順に主人の後を追いながらも、広大な大地をどこまでも走り続ける健気さと力強さを表しています 。
随順という名の積極的な愛
八人家族の朝を想像してみてください。父が「今日はみんなで岐阜の雷倉(かみなりくら)に登ろう」と提案します。母は自分の予定があっても、決して「私は忙しいから」と否定はしません。「それは素敵な考えですね。お弁当の準備をしましょう」と微笑んで応えます 。この「先に立たず、後れることで主(あるじ)を得る」という作法こそが、坤の愛の真髄です。
自分が主導権を握ろうとすれば迷いが生じますが、家族の意向を尊重し、それをサポートすることに徹すれば、結果として家族全員が目的地に無事に辿り着くことができます 。この「他力本願」にも似た絶対的な信頼と受容は、現代社会で忘れられがちな「待つ愛」の美しさを教えてくれます 。
育成の物語:雷倉の藪を切り拓くように
母の愛も、この雷倉の登山道整備に似ています。子供たちが人生の「藪」の中で立ち往生しているとき、母は目立つことなく、そっと足元の石を取り除き、歩きやすいように草を刈っておきます。子供たちは、自分が自分の力で登り切ったと感じて満足しますが、その足元の「踏み固められた安心感」こそが母の愛情の結晶なのです 。
- 無私の奉仕: 大地は作物を育てても、自ら「私が育てた」と報酬を要求することはありません。母もまた、家族の成長を自分の手柄にせず、天(父)や子供たちの努力の結果として譲ります 。
- 静止の徳: 坤は「動静」の「静」を司ります。バタバタと動き回るのではなく、どっしりと構えて家族の帰りを待つ。その静寂こそが、外の世界で戦う父や子供たちにとっての究極の安らぎとなります 。
字の解説:愛と坤の深層心理
坤とは
「坤」という字は「土」と「申」を合わせた形声文字です。「申」はもともと稲妻の形を象ったもので、「伸びる」あるいは「神」の原字でもあります 。つまり、大地(土)が天のエネルギー(申=雷・神)を受け取り、それを縦横無尽に伸ばしていく様子が「坤」なのです。
また、「地」という字は、万物を生成する土と、女性の象徴とも言われる「也(なり)」から成り、すべてを産み落とす母性を強調しています 。坤為地の物語において、母は天(父)の抽象的な理想を、地に足のついた現実的な「温かいご飯」や「清潔なシーツ」へと具体化する魔法使いのような存在です。
坤為地(こんいち)のイメージ
坤元亨。利牝馬之貞。君子有攸往。先迷後得主。
「坤」の時、 大いに通じる 。牝馬のように貞生であればよい。先頭に立てば迷い、主人を得れば良し

坤の卦の象徴は、母、大地、となります。大地は大きく広がり、不動に動かないように見えるが、そこには様々な命が生まれ、虹色に輝く色彩を放つ、乾為天が男性の胆力であるようにその胆力を受け止める畑の役割を果たすのが、
坤為地であるので、乾為天と同等のエネルギーを持っているのが坤為地であり、乾為天が豪胆であれば、坤為地は柔和であり、柔軟であると言える。これはどちらかが上位というわけではないことを、記憶して欲しい。
したがって、坤為地のもつイメージは、母であり、大地、柔和、柔軟、であり、その大地において、生命が生まれる包容力があるといえる。
坤為地(こんいち)の六爻
坤為地(こんいち)の六爻 下から順番に、初爻、二爻。三爻、四爻、五爻、六爻の並びが、初陰、二陰、三陰、四陰、五陰、上陰と並んだ状態を坤為地(こんいち)といいます。

六爻の位置は社会的位置を表しています。 初爻は庶民、二爻は士、三爻は大夫(たいふ)、四爻は公卿(こうけい)五爻は、君主、上爻は隠居した君主、あるいは知識人となります。

上陰 二頭の龍が戦い、流れる血は、黄色と黒色、頭を上げて、戦うことなく永く陰徳を積めば順調に行く。

五陰 五色において黄色は高貴な色、中央の色、腰に結んで、黄色い袴を履けば良い、人の上に立つことなく、美しく、坤の徳に当たればよく、大吉。

四陰 袋の口をしっかりと結んで、みだりに才智をひけらかすことなく。身を清めれば害するものはない。咎めるものもない。

三陰、優れて、才能を秘め、我が正道を守り、時節の到来を待てば、たとえ、誰からも認められなくても、天、王に従おう、ひたすらゴールを目指すが良い。

二陰 大地は限りなく広がり、東西南北に広がる、水平、垂直、広大な徳を備え、学べばすべてにいて順調である。

初陰 霧が降ります。擦れば、氷の世界。霜は陰の気が集まり、このように現象を観て、未来のために準備しなさい。
変卦:愛が動く、変化の法則
易経は別名「周易」とも呼ばれ、その「易」という字は「変化」を意味します。万物は一刻も休まず流転しており、家族の形も、愛の表し方も、季節が巡るように刻々と変わっていきます 。このセクションでは、なぜ「変化(変卦)」が起こるのか、そしてその変化をどのように「愛の習得」として受け止めるべきかを解説します。
哲学の提示:なぜ変易を説くのか
易経が変化を強調するのは、固定化されたものは生命力を失い、やがて朽ち果ててしまうからです。私たちの愛も、時として「これが正しい愛し方だ」と型に嵌めてしまいがちですが、状況が変わればその愛し方は「執着」や「束縛」に変わってしまうことがあります 。
易経が示す「変卦」は、停滞した空気を動かし、新しい成長の「機(きっかけ)」を与える神聖なギフトです。変化が起こるということは、今の愛の形を一度手放し、より高度な、あるいは異なる角度からの愛を学ぶタイミングが来たことを意味しています 。
人生の浮き沈みと愛の修正
人生がどん底にあるとき、現れる変卦は「希望の兆し」となります。逆に、最高潮にあるときに現れる変卦は、慢心を戒める「慈愛のブレーキ」となります。これらはすべて、私たちの「愛の作法」をより純粋なものへと修正するために起こるのです。
例えば、坤為地(母の受容)が極まって、自分を擦り減らしすぎてしまったとき、運命はあえて「変化」を起こし、あなたに「自分自身の喜び」を思い出させようとします。あるいは、従順すぎて自分の意見を言えなくなっているとき、変化は「意志の力」を学ぶ機会を運んできます 。
具体的な変化の提示:忍耐から希望への飛躍
あなたが占った結果、坤為地の「初爻(一番下)」と「二爻」が動いたとしましょう。その時、あなたの愛の物語は以下のように変化します。
- 変化後の卦の番号: 第十九番
- 変化後の卦の名前: 地沢臨(ちたくりん)
運気の具体的な変化:忍耐から感応、そして希望へ
「坤為地」は、どこまでも続く平坦な大地で、静かに耐え、育む時期でした 。しかし、それが「地沢臨」へと変化したとき、風景は一変します。大地(母)のすぐ傍に、清らかな水で満たされた「沢(三女)」が現れ、その水面がキラキラと光を反射して輝き始めます 。
これは、これまでの「ただ受け入れるだけ」の忍耐の時期が終わり、周囲の人々、特に若い世代や新しいチャンスと「感応(心を通わせること)」し、喜びを分かち合う時期が来たことを告げています 。
- 積極性の芽生え: 待つだけでなく、自ら希望を持って物事に「臨む(上から優しく見守り、関わる)」姿勢が吉を呼びます。
- 喜びの循環: 家族との会話に笑いが増え、あなたが楽しそうにしていることが、結果として家族全員の力強い上昇気流(陽の気の増加)を生み出します 。
読者へのメッセージ:愛の修正を受け入れて
もし今、あなたの周りで何かが変わり始めているなら、それは「新しい愛の学び」が始まったサインです。変化した後の卦、すなわち「第十九番:地沢臨」の物語を、ぜひ次のページで探してみてください 。
変化は、あなたを困らせるために起きるのではありません。あなたがもっと自由に、もっと温かく、家族を、そして自分自身を愛せるようになるための「修正」なのです。坤(大地)の優しさに、沢(喜び)の明るさが加わったとき、あなたの家庭には新しい春が訪れることでしょう。慈愛に満ちた変化の波に、身を委ねてみてください。
64卦
周易 上経 30卦
| NO | 六爻 | 上卦 | 下卦 |
| 1 | 乾為天 (けんいてん) | ☰ 乾 | ☰ 乾 |
| 2 | 坤為地(こんいち) | ☷ 坤 | ☷ 坤 |
| 3 | 水雷屯(すいらいちゅん) | ☵ 坎 | ☳ 震 |
| 4 | 山水蒙(さんすいもう) | ☶ 艮 | ☵ 坎 |
| 5 | 水天需(すいてんじゅ) | ☵ 坎 | ☰ 乾 |
| 6 | 天水訟(てんすいしょう) | ☰ 乾 | ☵ 坎 |
| 7 | 地水師(ちすいし) | ☷ 坤 | ☵ 坎 |
| 8 | 水地比(すいちひ) | ☵ 坎 | ☷ 坤 |
| 9 | 風天小畜(ふうてんしょうちく) | ☴ 巽 | ☰ 乾 |
| 10 | 天沢履(てんたくり) | ☰ 乾 | ☱ 兌 |
| 11 | 地天泰(ちてんたい) | ☷ 坤 | ☰ 乾 |
| 12 | 天地否(てんちひ) | ☰ 乾 | ☷ 坤 |
| 13 | 天火同人(てんかどうじん) | ☰ 乾 | ☲ 離 |
| 14 | 火天大有(かてんたいゆう) | ☲ 離 | ☰ 乾 |
| 15 | 地山謙(ちざんけん) | ☷ 坤 | ☶ 艮 |
| 16 | 雷地豫(らいちよ) | ☳ 震 | ☷ 坤 |
| 17 | 沢雷随(たくらいずい) | ☱ 兌 | ☳ 震 |
| 18 | 山風蠱(さんぷうこ) | ☶ 艮 | ☴ 巽 |
| 19 | 地沢臨(ちたくりん) | ☷ 坤 | ☱ 兌 |
| 20 | 風地観(ふうちかん) | ☴ 巽 | ☷ 坤 |
| 21 | 火雷噬嗑(からいぜいこう) | ☲ 離 | ☳ 震 |
| 22 | 山火賁(さんかひ) | ☶ 艮 | ☳ 震 |
| 23 | 山地剥(さんちはく) | ☶ 艮 | ☷ 坤 |
| 24 | 地雷復(ちらいふく) | ☷ 坤 | ☳ 震 |
| 25 | 天雷无妄(てんらいむぼう) | ☰ 乾 | ☳ 震 |
| 26 | 山天大畜(さんてんたいちく) | ☶ 艮 | ☰ 乾 |
| 27 | 山雷頤(さんらいい) | ☶ 艮 | ☳ 震 |
| 28 | 沢風大過(たくふうたいか) | ☱ 兌 | ☴ 巽 |
| 29 | 坎為水(かんいすい) | ☵ 坎 | ☵ 坎 |
| 30 | 離為火(りいか) | ☲ 離 | ☲ 離 |
周易 下経 34卦
| NO | 六爻 | 上卦 | 下卦 |
| 31 | 沢山咸(たくざんかん) | ☱ 兌 | ☶ 艮 |
| 32 | 雷風恒(らいふうこう) | ☳ 震 | ☴ 巽 |
| 33 | 天山遯(てんざんとん) | ☰ 乾 | ☶ 艮 |
| 34 | 雷天大壮(らいてんたいそう) | ☳ 震 | ☰ 乾 |
| 35 | 火地晋(かちしん) | ☲ 離 | ☷ 坤 |
| 36 | 地火明夷(ちかめいい) | ☷ 坤 | ☲ 離 |
| 37 | 風火家人(ふうかかじん) | ☴ 巽 | ☲ 離 |
| 38 | 火沢睽(かたくけい) | ☲ 離 | ☱ 兌 |
| 39 | 水山蹇(すいざんけん) | ☵ 坎 | ☶ 艮 |
| 40 | 雷水解(らいすいかい) | ☳ 震 | ☵ 坎 |
| 41 | 山沢損(さんたくそん) | ☶ 艮 | ☱ 兌 |
| 42 | 風雷益(ふうらいえき) | ☴ 巽 | ☳ 震 |
| 43 | 沢天夬(たくてんかい) | ☱ 兌 | ☰ 乾 |
| 44 | 天風姤(てんぷうこう) | ☰ 乾 | ☴ 巽 |
| 45 | 沢地萃(たくちすい) | ☱ 兌 | ☷ 坤 |
| 46 | 地風升(ちふうしょう) | ☷ 坤 | ☴ 巽 |
| 47 | 沢水困(たくすいこん) | ☱ 兌 | ☵ 坎 |
| 48 | 水風井(すいふうせい) | ☵ 坎 | ☴ 巽 |
| 49 | 沢火革(たくかかく) | ☱ 兌 | ☲ 離 |
| 50 | 火風鼎(かふうてい) | ☲ 離 | ☴ 巽 |
| 51 | 震為雷(しんいらい) | ☳ 震 | ☳ 震 |
| 52 | 艮為山(ごんいさん) | ☶ 艮 | ☶ 艮 |
| 53 | 風山漸(ふうさんぜん) | ☴ 巽 | ☶ 艮 |
| 54 | 雷沢帰妹(らいたくきまい) | ☳ 震 | ☱ 兌 |
| 55 | 雷火豊(らいかほう) | ☳ 震 | ☲ 離 |
| 56 | 火山旅(かざんりょ) | ☲ 離 | ☶ 艮 |
| 57 | 巽為風(そんいふう) | ☴ 巽 | ☴ 巽 |
| 58 | 兌為沢(だいたく) | ☱ 兌 | ☱ 兌 |
| 59 | 風水渙(ふうすいかん) | ☴ 巽 | ☵ 坎 |
| 60 | 水沢節(すいたくせつ) | ☵ 坎 | ☱ 兌 |
| 61 | 風沢中孚(ふうたくちゅうふ) | ☴ 巽 | ☱ 兌 |
| 62 | 雷山小過(らいざんしょうか) | ☳ 震 | ☶ 艮 |
| 63 | 水火既済(すいかきせい) | ☵ 坎 | ☲ 離 |
| 64 | 火水未済(かすいびせい) | ☲ 離 | ☵ 坎 |

