地雷復(ちらいふく)

六四卦の二四番目に位置するのが、地雷復(ちらいふく)。長男の震☳卦の上に、母の☷坤卦(こんけ)が乗っかっている形になります。

上卦は、坤卦☷(こんけ)です。坤卦は陰中の陰を表し、家族においては母親であり、八卦においては地を表しています。
下卦は震卦☳(しんけ)です。震卦は陽爻1段の上に陰爻が2段乗った形で、家族においては、長男をあらわします。八卦においては雷を表しています。
家を盛り上げ、ものごとの判断を決めるほどに成長した長兄である震卦(しんけ)に対し絶大の信頼を持つ母 坤卦(こんけ)は壮年となった震卦(しんけ)に安心感をもっています。父とも母とも違う経験を通過してきた長兄である震卦(しんけ)は、天地の理(ことわり)を、稲妻の如く、素早く伝え兄弟姉妹を取りまとめ、家の墓守ができるほどに成長してきました。
夫婦の血肉を受け、母の愛情をよく受けた長兄は、その人生を経験する中で、夫婦の愛とは違う父母からの無償の愛を広めることに一途な思いを持っています。それは、放蕩していてもいずれは気づく天地の理(ことわり)の中にある深い愛情を知っているがゆえに、母を思いしっかりと基礎を固めていくゆえの心の表れといえます。
混沌の淵から復活し元に帰る 転機(転気)を勝ち得る時期であるといえます。人生の経験の中には苦渋を受けることもあり、自らが招くことも、はたまた突然の予期せぬ事を受けることもあります、その経験は、我慢し忍耐しなければならないこともありますが、この卦は未来に備えて準備を怠ることがないよう示しています。

波に乗るためには波が来てから乗ろうとしても乗ることができませんが、波が来ることを予測して波が来る前に波に乗る動作をかけます。それは、長兄がこれまで受けてさまざまな経験が助け手となります、この地雷復(ちらいふく)の卦を受けたら、否定的な思考はさっぱりと捨てて
自分の目標、目的、計画の実現に1点集中で行うべきであり、長く受けて人生経験はこの卦により引き上げられます。
復(ふく)とは、
復(ふく)は冬至を示します。冬至とはどのようなことでしょう。

冬至は太陽が短く差し1日が最も短いと言えます、地雷復(ちらいふく)は六爻において、初爻が陽爻です。それ意外五爻は陰爻で成り立っています。初陽の上五爻が陰爻(--)が乗っかっている形は、地中の深いところから春のために準備している種や虫が動き出す春動し震えることを意味します。
長く苦しかった時がもう一息で息吹絵と変わります。しかし長くいた蝉(せみ)も時期を見間違い出てきたなら成虫に慣れないように、焦って飛び出してはいけないのが、地雷復(ちらいふく)です。
植物の芽も早まって出て仕舞えば、晩霜(ばんそう)にやられて枯れてしまいます。
復(ふく)の卦は陽気立ち伸び栄える 時に順応して動けば伸びることを意味します。
復(ふく)のイメージ
復。亨。出入无疾。朋来无咎。反復其道。七日来復。利有攸往。
「復」の時、通じる。出入りしてもよい。仲間がきて天意に従え。往復する道なら、七日で展開がある。進んで良い
「復」は、帰る、復活、回復。
悪運が過ぎ去り吉運に向かう上昇期とみてよいでしょう。かといって何でもよいというのではなく。目的の実現のため、一転集中し、自信をもって前進することです。一人で進めないなら、信じる仲間とともに進むべき時期です。心が、善なら進むべきです。
(ふく)の六爻
地雷復(ちらいふく)は、爻は下から、順番に、初爻、二爻。三爻、四爻、五爻、六爻の並びが、初陽、二陰、三陰、四陰、五陰、上陰と並んだ状態を、地雷復(ちらいふく)と言います。

六爻の位置は社会的位置を表しています。 初爻は庶民、二爻は士、三爻は大夫(たいふ)、四爻は公卿(こうけい)五爻は、君主、上爻は隠居した君主、あるいは知識人となります。

上陰 正道に戻ることを忘れて、迷う 凶 そのことは、先駆者(せんくしゃ)たる君子たるものの道に反する。先頭進むものが道を違えば人災 天災こもごもに至るであろう、軍を出せば大敗し、災いは君子が受ける、

五陰 篤実(とくじつ)な心で正道に戻る、中庸を守り、自ら考えていくなら悔いはない。

四陰 中庸(ちゅうよう)を守り、孤独にも一人で進むが正道に戻る。

三陰 軽はずみな行動で過失を犯すが、その度に自らを顧みて、正道に立ち返れば、危ういが咎(とが)められない。

二陰 立派に正道に立ち返る 愛ある仁者についてゆけば吉

初陽 遠からず 自らの過ちに気づき、正道に戻る 我が身を清め慈しみ行いを改めるならば、悔いることなく大吉
64卦
周易 上経 30卦
| NO | 六爻 | 上卦 | 下卦 |
| 1 | 乾為天(けんいてん) | ☰ 乾 | ☰ 乾 |
| 2 | 坤為地(こんいち) | ☷ 坤 | ☷ 坤 |
| 3 | 水雷屯(すいらいちゅん) | ☵ 坎 | ☳ 震 |
| 4 | 山水蒙(さんすいもう) | ☶ 艮 | ☵ 坎 |
| 5 | 水天需(すいてんじゅ) | ☵ 坎 | ☰ 乾 |
| 6 | 天水訟(てんすいしょう) | ☰ 乾 | ☵ 坎 |
| 7 | 地水師(ちすいし) | ☷ 坤 | ☵ 坎 |
| 8 | 水地比(すいちひ) | ☵ 坎 | ☷ 坤 |
| 9 | 風天小畜(ふうてんしょうちく) | ☴ 巽 | ☰ 乾 |
| 10 | 天沢履(てんたくり) | ☰ 乾 | ☱ 兌 |
| 11 | 地天泰(ちてんたい) | ☷ 坤 | ☰ 乾 |
| 12 | 天地否(てんちひ) | ☰ 乾 | ☷ 坤 |
| 13 | 天火同人(てんかどうじん) | ☰ 乾 | ☲ 離 |
| 14 | 火天大有(かてんたいゆう) | ☲ 離 | ☰ 乾 |
| 15 | 地山謙(ちざんけん) | ☷ 坤 | ☶ 艮 |
| 16 | 雷地豫(らいちよ) | ☳ 震 | ☷ 坤 |
| 17 | 沢雷随(たくらいずい) | ☱ 兌 | ☳ 震 |
| 18 | 山風蠱(さんぷうこ) | ☶ 艮 | ☴ 巽 |
| 19 | 地沢臨(ちたくりん) | ☷ 坤 | ☱ 兌 |
| 20 | 風地観(ふうちかん) | ☴ 巽 | ☷ 坤 |
| 21 | 火雷噬嗑(からいぜいこう) | ☲ 離 | ☳ 震 |
| 22 | 山火賁(さんかひ) | ☶ 艮 | ☳ 震 |
| 23 | 山地剥(さんちはく) | ☶ 艮 | ☷ 坤 |
| 24 | 地雷復(ちらいふく) | ☷ 坤 | ☳ 震 |
| 25 | 天雷无妄(てんらいむぼう) | ☰ 乾 | ☳ 震 |
| 26 | 山天大畜(さんてんたいちく) | ☶ 艮 | ☰ 乾 |
| 27 | 山雷頤(さんらいい) | ☶ 艮 | ☳ 震 |
| 28 | 沢風大過(たくふうたいか) | ☱ 兌 | ☴ 巽 |
| 29 | 坎為水(かんいすい) | ☵ 坎 | ☵ 坎 |
| 30 | 離為火(りいか) | ☲ 離 | ☲ 離 |
周易 下経 34卦
| NO | 六爻 | 上卦 | 下卦 |
| 31 | 沢山咸(たくざんかん) | ☱ 兌 | ☶ 艮 |
| 32 | 雷風恒(らいふうこう) | ☳ 震 | ☴ 巽 |
| 33 | 天山遯(てんざんとん) | ☰ 乾 | ☶ 艮 |
| 34 | 雷天大壮(らいてんたいそう) | ☳ 震 | ☰ 乾 |
| 35 | 火地晋(かちしん) | ☲ 離 | ☷ 坤 |
| 36 | 地火明夷(ちかめいい) | ☷ 坤 | ☲ 離 |
| 37 | 風火家人(ふうかかじん) | ☴ 巽 | ☲ 離 |
| 38 | 火沢睽(かたくけい) | ☲ 離 | ☱ 兌 |
| 39 | 水山蹇(すいざんけん) | ☵ 坎 | ☶ 艮 |
| 40 | 雷水解(らいすいかい) | ☳ 震 | ☵ 坎 |
| 41 | 山沢損(さんたくそん) | ☶ 艮 | ☱ 兌 |
| 42 | 風雷益(ふうらいえき) | ☴ 巽 | ☳ 震 |
| 43 | 沢天夬(たくてんかい) | ☱ 兌 | ☰ 乾 |
| 44 | 天風姤(てんぷうこう) | ☰ 乾 | ☴ 巽 |
| 45 | 沢地萃(たくちすい) | ☱ 兌 | ☷ 坤 |
| 46 | 地風升(ちふうしょう) | ☷ 坤 | ☴ 巽 |
| 47 | 沢水困(たくすいこん) | ☱ 兌 | ☵ 坎 |
| 48 | 水風井(すいふうせい) | ☵ 坎 | ☴ 巽 |
| 49 | 沢火革(たくかかく) | ☱ 兌 | ☲ 離 |
| 50 | 火風鼎(はふうてい) | ☲ 離 | ☴ 巽 |
| 51 | 震為雷(しんいらい) | ☳ 震 | ☳ 震 |
| 52 | 艮為山(ごんいさん) | ☶ 艮 | ☶ 艮 |
| 53 | 風山漸(ふうさんぜん) | ☴ 巽 | ☶ 艮 |
| 54 | 雷沢帰妹(らいたくきまい) | ☳ 震 | ☱ 兌 |
| 55 | 雷火豊(らいかほう) | ☳ 震 | ☲ 離 |
| 56 | 火山旅(かざんりょ) | ☲ 離 | ☶ 艮 |
| 57 | 巽為風(そんいふう) | ☴ 巽 | ☴ 巽 |
| 58 | 兌為沢(だいたく) | ☱ 兌 | ☱ 兌 |
| 59 | 風水渙(ふうすいかん) | ☴ 巽 | ☵ 坎 |
| 60 | 水沢節(すいたくせつ) | ☵ 坎 | ☱ 兌 |
| 61 | 風沢中孚(ふうたくちゅうふ) | ☴ 巽 | ☱ 兌 |
| 62 | 雷山小過(らいざんしょうか) | ☳ 震 | ☶ 艮 |
| 63 | 水火既済(すいかきせい) | ☵ 坎 | ☲ 離 |
| 64 | 火水未済(かすいびせい) | ☲ 離 | ☵ 坎 |

