【易経】坎為水(かんいすい)六四卦 易経 周易で観る八人家族の関係性 六十四卦 二十九番
坎為水(かんいすい)

六十四卦の二十九番目に位置するのが、坎為水(かんいすい)となります。坎為水(かんいすい)が表す卦は、䷜、陰爻の上に陽爻、そして陰爻と陰爻で陽爻をサンドした形が坎卦になり、下卦が坎卦 上卦、坎卦といった形になります。この形は、陰爻という母性が、陽爻を包み込んだ形であるため、

上卦 下卦は、坎卦☵(かんけ)です。坎卦は、陰爻に陽爻が挟まれた形で、家族の中では、次男を表し、八卦においては、水を表しています。
六十四卦の29番目に位置するのが坎為水です。この卦は、上下ともに「坎(かん)」、すなわち「水」を象徴する形が重なり合った、非常に深遠で、かつ力強いメッセージを秘めた卦です。易経の世界において、坎為水は「四大難卦」の一つとして知られ、幾重にも重なる困難や険難を象徴するとされていますが、私たちの「8人の家族の愛の世界」という視点から見れば、それは単なる苦しみではなく、真実の愛を研ぎ澄まし、家族の絆をダイヤモンドのように硬く結びつけるための、天からの大切な贈り物であると読み解くことができます。
家族の構成と象徴:次男が担う浄化と誠実の役割
この物語の主人公は、家族の中で「次男」の役割を担う存在です。易経における「坎(かん)」は、家族の中では次男を象徴し、その性質は「水」に例えられます。この卦は、内卦(家族の心の基盤)も外卦(社会や外部との関わり)も、すべてが次男の象徴である水で満たされている状態を指しています。
母の愛が子を包み微笑む姿であるといえます。
しかし、こうした愛情を受けた坎卦ではありますが、象徴語は、水、はらむ、惑溺(わくでき)流出、冷淡、危険、といったことを表します。それは、水は人を活かす存在でありながら、大水、洪水において言われるように多くを含むと死と直結する存在だからでもあります。活かすも殺すも水の扱い方で方向は大きく変わります。坎卦が上卦、下卦合わさることで力は、二倍、三倍と増えるため、四大難卦といわれる卦であります。
四大難卦
3番 屯(ちゅん) 水雷屯(すいらいちゅん)
29番 習坎(しゅうかん) 坎為水(かんいすい)
39番 蹇(けん) 水山蹇(すいざんけん)
47番 困(こん) 沢水困(たくすいこん)
坎為水においては、この「次男」のエネルギーが重なり合っています。次男という存在は、長男のような華やかな躍動や、三男のような揺るぎない不動の姿勢とは異なり、常に流動的でありながら、最も深い場所へと入り込んでいく性質を持っています。水が低い場所へと流れ、人々の汚れを洗い流し、渇いた大地を潤すように、次男の愛は家族が直面する「痛み」や「悲しみ」という名の深い穴(坎)へと進んでいき、そこを真心で満たしていく役割を担っているのです 。
愛の解釈:険難の中でこそ輝く「至誠」の作法
坎為水が教える愛の物語は、決して平坦な道のりではありません。むしろ、次から次へと押し寄せる荒波や、足元に突然現れる落とし穴にどう向き合うかという「愛の修練」の物語です。
水は常に、誰もが嫌がる低い場所へと向かいます。これは、家族の中で最も弱い立場に置かれている人や、今まさに苦しんでいる人のもとへ、自ら進んで駆けつける「献身の愛」を表しています。次男が象徴する水は、家族の涙を溜める器となり、その悲しみが浄化されるまで、じっとその場に留まり続けます。
この「習坎(しゅうかん)」、すなわち困難を繰り返し習うというプロセスは、家族が真の絆を築くための「成長痛」のようなものです 。一度問題を解決しても、また次の課題がやってくる。しかし、その度に家族は「真心で向き合う作法」を習得し、より深い信頼関係へと導かれていくのです 。
坎とは、
坎為水の険難の中にいるとき、家族を想う心は、まさにこの「愛」の字の通りです。自分が苦しい時でも、ふと後ろを振り返り、「あの子は大丈夫だろうか」「母さんは泣いていないだろうか」と、相手の安否を気遣い、足が止まってしまう。この「切なさ」を伴う優しさこそが、坎為水の深い穴を埋める最高の薬となります 。
「坎」:欠けた部分を満たす、受容の器
「坎(かん)」という字は、土偏に「欠」と書きます。地面が欠けて穴になっている状態、すなわち「陥没」を意味します 。人生における「欠落」や「失敗」は、一見すると不吉なものに思えるかもしれません。
しかし、愛の観点から見れば、この「穴」こそが、家族の温もりを受け止めるための「器」となります。完璧で平坦な心には、水(愛)は留まることができず、ただ通り過ぎていくだけです。心に欠けた部分があり、弱さがあるからこそ、そこに家族の真心が注がれ、豊かな潤いが生まれるのです。坎為水は、自分の弱さ(穴)を認め、そこに家族の助けを受け入れる「受容の愛」を教えてくれているのです。
坎為水(かんいすい)のイメージ
習坎。有孚。維心亨。行有尚。
「坎」の時。非常な困難の中にあっても、誠の心を貫きとおせば通じる。進んでいけば尊敬される
イメージするものは、救いがない 底知れない不安 一難去ってまた一難
坎為水(かんいすい)は坎卦が重なり合ってでき卦です。上にも下にも水があり、ゲリラ豪雨のような卦であると言えます。ゆえに坎卦は険難、艱難をうける卦と言えます。こういった一難去ってまた一難、

泣きっ面に蜂といった災難、艱難をどう越えるのかという真意が問われる立場を表し、そのまま泣き崩れるのか、はたまた、そういった苦労を自分の人生の肥しとして、自らを鍛える勇気にかえるのか、何事にも勇気をもってすすむ勇敢さが問われています。
しかし、愛を受けて育つ坎卦の芯のつよさにより真を貫けば、尊敬されるのです。沈むばかりの船でも、身を挺してこそ浮かぶ瀬もあるわけです。
坎為水(かんいすい)の六爻
坎為水(かんいすい)の六爻、下から順番に、初爻、二爻。三爻、四爻、五爻、六爻の並びが、初陰、二陽、三陰、四陰、五陽、上陰と並んだ状態を坎為水(かんいすい)と言います。

六爻の位置は社会的位置を表しています。 初爻は庶民、二爻は士、三爻は大夫(たいふ)、四爻は公卿(こうけい)五爻は、君主、上爻は隠居した君主、あるいは知識人となります。

上陰 ギリギリアウト。何もかも巻き上げられて、牢獄につながれ、三年のにわたり、苦汁をなめるが誠意をもって耐え抜け 凶

五陽 険難、艱難はまだ終わっていない。万事平穏になるのを待ち、静まり返ってから動き出せばお咎めを受けることはない。

四陰 脱出の得策を考える時、儀礼を尽くし、質朴に、意見を求められたら簡素に行えば、上司、君主に通じるので、最後はおとがめを受けることはない。

三陰 前門に虎、後門には狼 進退きわまる。身には手枷(てかせ)足枷(あしかせ)をはめられ、穴に落とされ、何を行っても効果が現れない。悪あがきせず冷静に時を待て、

二陽 危険に陥って大変に苦労する。容易に脱出できないが、状況を冷静に判断し、真摯に努力すれば道が開ける。どんな状況でも行く道はある。

初陰 穴に陥って脱出の方法が見つからず混乱して、凶
変卦:愛が動く、変化の法則
易経が説く最も重要な教えは「変易」、すなわち「この世に変化しないものはない」という真理です。万物は一刻も休まず流動しており、その変化の「機(きっかけ)」を捉えることこそが、愛を成熟させる秘訣です。
私たちが人生のどん底にいるとき、現れる変卦は「愛の修正」を促す天の声です。今の苦しみが、実は間違った愛し方を正し、より深い誠実さを学ぶための大切な転換点であると気づくことができれば、運命は一気に好転し始めます。
占いの指針:九二の爻が動いた場合
もし、あなたがこの坎為水の卦を得て、その「二番目の爻(九二)」が動いた(変じた)と想定してみましょう。
- 変化後の卦の番号: 第8番
- 変化後の卦の名前: 水地比(すいちひ)
- 運気の具体的な変化: 忍耐の淵から、喜びの「感応・親和」へ。
愛の修正と次なるステージ
坎為水の九二は、険難の中にありながらも、家族への誠実さを失わず、小さな善行を積み重ねた姿です 。この爻が動くとき、物語は「水地比」へと移り変わります。
「比」という字には、「並ぶ」「親しむ」「助け合う」という意味があります 。大地(母)の上に水(次男)が静かに広がっている姿を想像してください。水は大地に染み込み、大地は水をしっかりと支えています。これは、これまでの試練を乗り越えた家族が、互いを「かけがえのないパートナー」として認め合い、心と心で固く結ばれることを象徴しています 。
「水地比」の世界では、もう独りで頑張る必要はありません。周囲の人々と手を携え、喜びを分かち合う段階に入ります。「遅れてやってくる者は凶」という戒めがあるように、この好機を逃さず、自ら進んで家族や仲間の輪に飛び込んでいきましょう 。
変化した後の卦の番号「第8番」をぜひ探してみてください。そこには、あなたが試練の中で磨き上げた「誠」の心が、どのように豊かな人間関係の実を結ぶのか、その素晴らしい続きが描かれています。
愛は、立ち止まり、振り返り、そして再び流れ出します。あなたの変化を、家族全員が温かく見守っています。
64卦
周易 上経 30卦
| NO | 六爻 | 上卦 | 下卦 |
| 1 | 乾為天 (けんいてん) | ☰ 乾 | ☰ 乾 |
| 2 | 坤為地(こんいち) | ☷ 坤 | ☷ 坤 |
| 3 | 水雷屯(すいらいちゅん) | ☵ 坎 | ☳ 震 |
| 4 | 山水蒙(さんすいもう) | ☶ 艮 | ☵ 坎 |
| 5 | 水天需(すいてんじゅ) | ☵ 坎 | ☰ 乾 |
| 6 | 天水訟(てんすいしょう) | ☰ 乾 | ☵ 坎 |
| 7 | 地水師(ちすいし) | ☷ 坤 | ☵ 坎 |
| 8 | 水地比(すいちひ) | ☵ 坎 | ☷ 坤 |
| 9 | 風天小畜(ふうてんしょうちく) | ☴ 巽 | ☰ 乾 |
| 10 | 天沢履(てんたくり) | ☰ 乾 | ☱ 兌 |
| 11 | 地天泰(ちてんたい) | ☷ 坤 | ☰ 乾 |
| 12 | 天地否(てんちひ) | ☰ 乾 | ☷ 坤 |
| 13 | 天火同人(てんかどうじん) | ☰ 乾 | ☲ 離 |
| 14 | 火天大有(かてんたいゆう) | ☲ 離 | ☰ 乾 |
| 15 | 地山謙(ちざんけん) | ☷ 坤 | ☶ 艮 |
| 16 | 雷地豫(らいちよ) | ☳ 震 | ☷ 坤 |
| 17 | 沢雷随(たくらいずい) | ☱ 兌 | ☳ 震 |
| 18 | 山風蠱(さんぷうこ) | ☶ 艮 | ☴ 巽 |
| 19 | 地沢臨(ちたくりん) | ☷ 坤 | ☱ 兌 |
| 20 | 風地観(ふうちかん) | ☴ 巽 | ☷ 坤 |
| 21 | 火雷噬嗑(からいぜいこう) | ☲ 離 | ☳ 震 |
| 22 | 山火賁(さんかひ) | ☶ 艮 | ☳ 震 |
| 23 | 山地剥(さんちはく) | ☶ 艮 | ☷ 坤 |
| 24 | 地雷復(ちらいふく) | ☷ 坤 | ☳ 震 |
| 25 | 天雷无妄(てんらいむぼう) | ☰ 乾 | ☳ 震 |
| 26 | 山天大畜(さんてんたいちく) | ☶ 艮 | ☰ 乾 |
| 27 | 山雷頤(さんらいい) | ☶ 艮 | ☳ 震 |
| 28 | 沢風大過(たくふうたいか) | ☱ 兌 | ☴ 巽 |
| 29 | 坎為水(かんいすい) | ☵ 坎 | ☵ 坎 |
| 30 | 離為火(りいか) | ☲ 離 | ☲ 離 |
周易 下経 34卦
| NO | 六爻 | 上卦 | 下卦 |
| 31 | 沢山咸(たくざんかん) | ☱ 兌 | ☶ 艮 |
| 32 | 雷風恒(らいふうこう) | ☳ 震 | ☴ 巽 |
| 33 | 天山遯(てんざんとん) | ☰ 乾 | ☶ 艮 |
| 34 | 雷天大壮(らいてんたいそう) | ☳ 震 | ☰ 乾 |
| 35 | 火地晋(かちしん) | ☲ 離 | ☷ 坤 |
| 36 | 地火明夷(ちかめいい) | ☷ 坤 | ☲ 離 |
| 37 | 風火家人(ふうかかじん) | ☴ 巽 | ☲ 離 |
| 38 | 火沢睽(かたくけい) | ☲ 離 | ☱ 兌 |
| 39 | 水山蹇(すいざんけん) | ☵ 坎 | ☶ 艮 |
| 40 | 雷水解(らいすいかい) | ☳ 震 | ☵ 坎 |
| 41 | 山沢損(さんたくそん) | ☶ 艮 | ☱ 兌 |
| 42 | 風雷益(ふうらいえき) | ☴ 巽 | ☳ 震 |
| 43 | 沢天夬(たくてんかい) | ☱ 兌 | ☰ 乾 |
| 44 | 天風姤(てんぷうこう) | ☰ 乾 | ☴ 巽 |
| 45 | 沢地萃(たくちすい) | ☱ 兌 | ☷ 坤 |
| 46 | 地風升(ちふうしょう) | ☷ 坤 | ☴ 巽 |
| 47 | 沢水困(たくすいこん) | ☱ 兌 | ☵ 坎 |
| 48 | 水風井(すいふうせい) | ☵ 坎 | ☴ 巽 |
| 49 | 沢火革(たくかかく) | ☱ 兌 | ☲ 離 |
| 50 | 火風鼎(かふうてい) | ☲ 離 | ☴ 巽 |
| 51 | 震為雷(しんいらい) | ☳ 震 | ☳ 震 |
| 52 | 艮為山(ごんいさん) | ☶ 艮 | ☶ 艮 |
| 53 | 風山漸(ふうさんぜん) | ☴ 巽 | ☶ 艮 |
| 54 | 雷沢帰妹(らいたくきまい) | ☳ 震 | ☱ 兌 |
| 55 | 雷火豊(らいかほう) | ☳ 震 | ☲ 離 |
| 56 | 火山旅(かざんりょ) | ☲ 離 | ☶ 艮 |
| 57 | 巽為風(そんいふう) | ☴ 巽 | ☴ 巽 |
| 58 | 兌為沢(だいたく) | ☱ 兌 | ☱ 兌 |
| 59 | 風水渙(ふうすいかん) | ☴ 巽 | ☵ 坎 |
| 60 | 水沢節(すいたくせつ) | ☵ 坎 | ☱ 兌 |
| 61 | 風沢中孚(ふうたくちゅうふ) | ☴ 巽 | ☱ 兌 |
| 62 | 雷山小過(らいざんしょうか) | ☳ 震 | ☶ 艮 |
| 63 | 水火既済(すいかきせい) | ☵ 坎 | ☲ 離 |
| 64 | 火水未済(かすいびせい) | ☲ 離 | ☵ 坎 |

