天地否(てんちひ)

六十四卦十二番目に位置するのが、天地否(てんちひ)です。母 ☷ 坤卦の上に、父 ☰ 乾卦(けんけ)が乗っかった卦となります。

上卦は、乾卦☰(けんけ)です。乾卦は陽中の陽を表し、天を表し、家族の中では父を表しています。

下卦が、坤卦☷(こんけ)です。坤卦は陰中の陰を表し、地を表し、家族の中では、母を表しています。

六十四卦の十二番目に位置するのが天地否(てんちひ)です 。天(父)が上に、地(母)が下にあり、両者が背を向けて遠ざかっている心の「閉塞」を象徴しています 。

家族の構成と象徴:背を向ける父と、沈みゆく母

上に「天(父)」、下に「地(母)」が重なっています 。

上卦「乾(天)」:高みに留まる父

父は自分の正しさに固執し、高い場所へと一人で去ってしまう状態です 。

下卦「坤(地)」:深く沈み込む母

母は悲しみを抱えたまま心の奥底へ沈んでいます 。二つの気は交わらず、孤独を感じる「愛の断絶」の時です 。沈黙の中で内なる徳を守り抜く「忍耐」が説かれます 。

天を表す乾卦(けんけ)の気は上昇し、地を表す坤卦(こんけ)の気は地に潜る気であるため、この天地否の卦は互いを思いながらも離れることを虐げられた卦であるといえます。陰陽の気はお互いを意識し互いを引き合うのが常であるにもかかわらず、互いの思いが違う方向に向いてしまっていることを表しています。そこしれぬ不安を持ちながら、互いに相手の思いを計り知れない時期であるといえます。背を向けて立ち

家の中で四隅に立って壁ばかり見つめています。かよわい坤卦(こんけ)の肩に頑固な乾卦(けんけ)がのしかかって今にも押しつぶされそうな情が見て取れます。非常に、危険であると言わざるを得ない立場であるといえます。屈強な男性がかよわい女性の上にのしかかった卦であるため、目をそむけたくなりますが、現実を知り、対処すべき位置にあるともいえます。

愛が途切れれば、口さえ聞きたくないが、深く愛し合った時間や場所、思いまでも壊すことなく。愛情までも否定したなら、糸が切れるが、貞操を守り行う行動に自戒しなければならないことを天地否は 教えます。 

否とは、

君子が常道を守ろうとしても、下から支える存在がか弱く、安定しないとも言えるこの天地否の卦において、陽気は昇り、陰気は降(くだ)る 天地が和合できない、すべての万物が育たない、殺伐とした状態であるため、小人が世を否(ふさ)いでいる状態です。天地が背きあう、これが、「否」の卦の表すことです。

陰陽五行と気の関係。かたちに宿るエネルギー  宇宙にエネルギーがあるから形ができる。 陰陽五行の、木、火、土、金、水 、森羅万象の中に存在するそれぞれの気の形は 目に見えない...

「否」の字:口を閉ざし、立ち止まる時

「不」と「口」から成り、言葉を拒み沈めることを表します 。今はその時ではないというストップサインです。無理に口を開かず、沈黙という愛の形を選ぶ勇気が求められています。

天地否のイメージ

否。之匪人。不利君子貞。大往小来。
「否」の時、人が来ない。君子がいかに貞正を守ろうと、行なえない。大人が追われ、小人が来る。

物事が通じず、正常な状態ではありません。ツキがない状態です、悪を思えば、悪が増大し、善は押しつぶされます。たとえ、道理だと思って道理が通じません。大人(良識人)が追われ、小人(非常識)が来る。停滞しているとき、自分の行動も否定されましが、正しさを忘れず一歩退く勇気が必要である。

天地否(てんちひ)の六爻

天地否(てんちひ)の六爻は、下から順番に、初爻、二爻。三爻、四爻、五爻、六爻の並びが、初陰、二陰、三陰、四陽、五陽、上陽と並んだ状態を天地否(てんちひ)といいます。

六爻の位置は社会的位置を表しています。 初爻は庶民、二爻は士、三爻は大夫(たいふ)、四爻は公卿(こうけい)五爻は、君主、上爻は隠居した君主、あるいは知識人となります。

上陽 閉塞状態は打開されようとしている。閉ざされた門が永遠には続かない。はじめは苦しいが後に 喜びが訪れる。

五陽 閉塞状態の進行を留める 上司は吉。「行く道が亡びの道か。滅する道か」とたえず自戒(じかい)すべきである。

四陽 ひたすら、上司に仕えて動くものに咎めはない。同じ目標目的を持ったものだけが、硬い要塞を打ち破ることができる。ともに生きてこそ至福にたどり着ける。

三陰 御身以上の富を受ければ、恥も外聞もない。こだわることで詰まることもある。

二陰 小人は上司の命令を受け従えば吉。上に立つものは信念を曲げてまで妥協ができない。八方ふさがっていても、天は開いている信念を貫いて行けば道はある。

初陰 茅萱(ちがや)を一本引き抜けば 一株が連なって抜ける。共なるものが合わさって君子に忠誠を尽くしていけば吉となり、伸びる。

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変卦:愛が動く、変化の法則

易経が説く『変易』の本質は、万物が一刻も休まず変化し続けているということにあります。この変化は、閉ざされた心が再び開き、愛の循環を取り戻すための、天による「氷解」の儀式です。断絶した「凍りついた愛」を修正し、再び心が一つに集う「統合の愛」を習得するために、厳しい冬は終わりを告げます。忍耐の末に訪れる再会は、以前よりも強い絆で結ばれることになるでしょう。

上九が動くとき:閉塞から「大いなる収穫」へ

  • 変化後の卦の番号: 第四十五番
  • 変化後の卦の名前: 澤地萃(たくちすい)
  • 運気の具体的な変化: 閉塞の終わり「否」から、愛が一点に集中する喜びの「萃(すい)」へ 。

変化した後の卦の番号をぜひ探してみてください。孤独を乗り越えた魂だけが味わえる、深い一体感の物語が待っています。

64卦

周易 上経 30卦

NO六爻上卦下卦
1乾為天 (けんいてん)☰ 乾 ☰ 乾
2坤為地(こんいち)☷ 坤☷ 坤
3水雷屯(すいらいちゅん)☵ 坎 ☳ 震
4山水蒙(さんすいもう)☶ 艮 ☵ 坎
5水天需(すいてんじゅ)☵ 坎 ☰ 乾
6天水訟(てんすいしょう)☰ 乾 ☵ 坎
7地水師(ちすいし)☷ 坤 ☵ 坎
8水地比(すいちひ)☵ 坎☷ 坤
9風天小畜(ふうてんしょうちく)☴ 巽☰ 乾
10天沢履(てんたくり)☰ 乾 ☱ 兌
11地天泰(ちてんたい)☷ 坤 ☰ 乾
12天地否(てんちひ)☰ 乾 ☷ 坤
13天火同人(てんかどうじん)☰ 乾 ☲ 離
14火天大有(かてんたいゆう)☲ 離 ☰ 乾
15地山謙(ちざんけん) ☷ 坤 ☶ 艮
16雷地豫(らいちよ)☳ 震 ☷ 坤
17沢雷随(たくらいずい)☱ 兌 ☳ 震
18山風蠱(さんぷうこ)☶ 艮 ☴ 巽
19地沢臨(ちたくりん)☷ 坤 ☱ 兌
20風地観(ふうちかん)☴ 巽 ☷ 坤
21火雷噬嗑(からいぜいこう)☲ 離 ☳ 震
22山火賁(さんかひ)☶ 艮 ☳ 震
23山地剥(さんちはく)☶ 艮 ☷ 坤
24地雷復(ちらいふく)☷ 坤 ☳ 震
25天雷无妄(てんらいむぼう)☰ 乾 ☳ 震
26山天大畜(さんてんたいちく)☶ 艮 ☰ 乾
27山雷頤(さんらいい)☶ 艮 ☳ 震
28沢風大過(たくふうたいか)☱ 兌☴ 巽
29坎為水(かんいすい)☵ 坎 ☵ 坎
30離為火(りいか)☲ 離 ☲ 離

周易 下経 34卦

NO六爻上卦下卦
31沢山咸(たくざんかん)☱ 兌 ☶ 艮
32雷風恒(らいふうこう)☳ 震☴ 巽
33天山遯(てんざんとん)☰ 乾☶ 艮
34雷天大壮(らいてんたいそう)☳ 震 ☰ 乾
35火地晋(かちしん)☲ 離 ☷ 坤
36地火明夷(ちかめいい)☷ 坤 ☲ 離
37風火家人(ふうかかじん)☴ 巽 ☲ 離
38火沢睽(かたくけい)☲ 離 ☱ 兌
39水山蹇(すいざんけん)☵ 坎 ☶ 艮
40雷水解(らいすいかい)☳ 震 ☵ 坎
41山沢損(さんたくそん)☶ 艮 ☱ 兌
42風雷益(ふうらいえき)☴ 巽 ☳ 震
43沢天夬(たくてんかい)☱ 兌 ☰ 乾
44天風姤(てんぷうこう)☰ 乾 ☴ 巽
45沢地萃(たくちすい)☱ 兌☷ 坤
46地風升(ちふうしょう)☷ 坤☴ 巽
47沢水困(たくすいこん)☱ 兌☵ 坎
48水風井(すいふうせい)☵ 坎 ☴ 巽
49沢火革(たくかかく)☱ 兌 ☲ 離
50火風鼎(かふうてい)☲ 離 ☴ 巽
51震為雷(しんいらい)☳ 震 ☳ 震
52艮為山(ごんいさん)☶ 艮 ☶ 艮
53風山漸(ふうさんぜん)☴ 巽 ☶ 艮
54雷沢帰妹(らいたくきまい)☳ 震 ☱ 兌
55雷火豊(らいかほう)☳ 震 ☲ 離
56火山旅(かざんりょ)☲ 離 ☶ 艮
57巽為風(そんいふう)☴ 巽 ☴ 巽
58兌為沢(だいたく)☱ 兌 ☱ 兌
59風水渙(ふうすいかん)☴ 巽 ☵ 坎
60水沢節(すいたくせつ)☵ 坎 ☱ 兌
61風沢中孚(ふうたくちゅうふ)☴ 巽 ☱ 兌
62雷山小過(らいざんしょうか)☳ 震 ☶ 艮
63水火既済(すいかきせい)☵ 坎 ☲ 離
64火水未済(かすいびせい)☲ 離 ☵ 坎