風雷益(ふうらいえき)

六四卦の四二番目に位置するのが、風雷益(ふうらいえき)です。震卦☳(しんけ)の上に巽卦☴(そんけ)が乗っかっている形になります。

上卦は、巽卦☴(そんけ)です。巽卦は、陰爻の上に陽爻が2段乗った形です。家族の中では、長女を表し、八卦においては風を表しています。
下卦は震卦☳(しんけ)です。震卦は陽爻1段の上に陰爻が2段乗った形で、家族においては、長男をあらわします。八卦においては雷を表しています。
八卦の中では、長男、長女が重なり合った卦です。長男長女は、父母の信頼を受け、熟成された大人を表します。油の乗った働き盛りの大人で、酸いも甘いもある程度経験し、世間をよく知った大人であり、中年、壮年といった、ある程度、歳を重ねた大人を創像してください。
また、疾風迅雷(しっぷうじんらい)といい、上卦(じょうか)は長女でもあり、風を表します。また下卦(かか)は長男でもあり、雷を表し、風は従うと越境では示されていて、下卦の長男に従うので、下の雷が動けば、上の風も、そのように動くということを示しています。

疾風迅雷は、好機を感じれば突き進むのが良いとされ、思い悩むより、行動しなさいと言っています。積極的に困難を克服して、広く社会的利益を生むものには良い卦と言えます。これは、広く損を減らし、国としてみれば、 国家、王様が民衆の利益のために、大いに働くことを意味しています。
この疾風迅雷により、上を減らし、下を益すことであり、人民は、その恩恵を大いに喜び、君道【運動】もまた、輝き渡ると言われ、善行を積極的に行うなら、上下共に大いに、喜ぶ。win&winの関係を保つものです。故に、大河を渡るような危険な場合でも、順調に行く益は盛んになり、上卦の柔軟な対応は、兼備(けんび)して進歩することを示しています。
益とは
益は利益の益を表し、大象において、疾風【風】迅雷【雷】の卦です。君子は、善を見れば、直ちに学び、過失があれば、直ちに改めるということう謙虚さを持っています。聖書の

ヨナ書にも、預言者ヨナの言葉を聞き、悔い改めて王座から降り、粗布を身にまとい、灰に座りました。そして、国民全体に断食を命じ、人々も王に倣って悔い改めました。とありますが、益をえることは悪いことではなく、より大きなことのために使用されるべきであり、
国の反映は、国民の幸せにもなりますが、国が腐敗した時、国の王が、先頭に立ち、荒布をまとい反省できることもまた、益と言えます。
また、三国志においても、 曹操(そうそう)が、- 「時を制する者は天下を制す」といい、好機を逃さない事が大切であるとも言っています。
風雷益(ふうらいえき)のイメージ
益。利有攸往。利渉大川。
「益」の時、進んで良い。大川を渡っても良い
「益」は増大、利益 益す
富や名誉、栄耀栄華を得て物は、その裏で、負債や不信、不調和 敵意を生む危険性を含んでいます。増加することは、プラスに動くばかりではなく欠落を生むのも事実ある。

物質的喜びも、もちろん大事ではあるが、精神的喜びは人生の財産になり、誰も盗むことができない。心の喜びを増やすことに重きを置き進めば、大川も渡れる。
風雷益(ふうらいえき)の六爻
風雷益(ふうらいえき)の六爻は、下から順番に、初爻、二爻。三爻、四爻、五爻、六爻の並びが、初陽、二陰、三陰、四陰、五陽、上陽と並んだ状態を、風雷益(ふうらいえき)といいます。

六爻の位置は社会的位置を表しています。 初爻は庶民、二爻は士、三爻は大夫(たいふ)、四爻は公卿(こうけい)五爻は、君主、上爻は隠居した君主、あるいは知識人となります。

上陽 私利私欲に囚われ、民に恵む心がない、外部より攻撃される。考えに原則がない。凶

五陽 誠意に満ちて、慈愛の心を持つ者は占うことなく大吉 民も、誠意を持って応(こた)え、その恩恵に感謝する。志は大いに行える。

四陰 中道を進み、国を益する志があれば、君子に信任される、神託を受けて、国や都を遷(うつ)すような事業も順調に遂行できる。

三陰 艱難(かんなん)を与えることによって人間を磨き上げる。志を固く守るものには、咎めはない。誠意を持ち、中道を進めば、君主に信任される。

二陰 思わぬところより助力が得られる どんなに鋭敏な亀甲で占っても、凶兆は出ない。間違いなく吉と出る。王が、このような人に祭祀(さいし)を任せるなら、神託が得られる

初陽 大事業に邁進するのが良い、大吉である 咎めはない。下位であっても、躊躇することなく突き進めるのが良い
64卦
周易 上経 30卦
| NO | 六爻 | 上卦 | 下卦 |
| 1 | 乾為天(けんいてん) | ☰ 乾 | ☰ 乾 |
| 2 | 坤為地(こんいち) | ☷ 坤 | ☷ 坤 |
| 3 | 水雷屯(すいらいちゅん) | ☵ 坎 | ☳ 震 |
| 4 | 山水蒙(さんすいもう) | ☶ 艮 | ☵ 坎 |
| 5 | 水天需(すいてんじゅ) | ☵ 坎 | ☰ 乾 |
| 6 | 天水訟(てんすいしょう) | ☰ 乾 | ☵ 坎 |
| 7 | 地水師(ちすいし) | ☷ 坤 | ☵ 坎 |
| 8 | 水地比(すいちひ) | ☵ 坎 | ☷ 坤 |
| 9 | 風天小畜(ふうてんしょうちく) | ☴ 巽 | ☰ 乾 |
| 10 | 天沢履(てんたくり) | ☰ 乾 | ☱ 兌 |
| 11 | 地天泰(ちてんたい) | ☷ 坤 | ☰ 乾 |
| 12 | 天地否(てんちひ) | ☰ 乾 | ☷ 坤 |
| 13 | 天火同人(てんかどうじん) | ☰ 乾 | ☲ 離 |
| 14 | 火天大有(かてんたいゆう) | ☲ 離 | ☰ 乾 |
| 15 | 地山謙(ちざんけん) | ☷ 坤 | ☶ 艮 |
| 16 | 雷地豫(らいちよ) | ☳ 震 | ☷ 坤 |
| 17 | 沢雷随(たくらいずい) | ☱ 兌 | ☳ 震 |
| 18 | 山風蠱(さんぷうこ) | ☶ 艮 | ☴ 巽 |
| 19 | 地沢臨(ちたくりん) | ☷ 坤 | ☱ 兌 |
| 20 | 風地観(ふうちかん) | ☴ 巽 | ☷ 坤 |
| 21 | 火雷噬嗑(からいぜいこう) | ☲ 離 | ☳ 震 |
| 22 | 山火賁(さんかひ) | ☶ 艮 | ☳ 震 |
| 23 | 山地剥(さんちはく) | ☶ 艮 | ☷ 坤 |
| 24 | 地雷復(ちらいふく) | ☷ 坤 | ☳ 震 |
| 25 | 天雷无妄(てんらいむぼう) | ☰ 乾 | ☳ 震 |
| 26 | 山天大畜(さんてんたいちく) | ☶ 艮 | ☰ 乾 |
| 27 | 山雷頤(さんらいい) | ☶ 艮 | ☳ 震 |
| 28 | 沢風大過(たくふうたいか) | ☱ 兌 | ☴ 巽 |
| 29 | 坎為水(かんいすい) | ☵ 坎 | ☵ 坎 |
| 30 | 離為火(りいか) | ☲ 離 | ☲ 離 |
周易 下経 34卦
| NO | 六爻 | 上卦 | 下卦 |
| 31 | 沢山咸(たくざんかん) | ☱ 兌 | ☶ 艮 |
| 32 | 雷風恒(らいふうこう) | ☳ 震 | ☴ 巽 |
| 33 | 天山遯(てんざんとん) | ☰ 乾 | ☶ 艮 |
| 34 | 雷天大壮(らいてんたいそう) | ☳ 震 | ☰ 乾 |
| 35 | 火地晋(かちしん) | ☲ 離 | ☷ 坤 |
| 36 | 地火明夷(ちかめいい) | ☷ 坤 | ☲ 離 |
| 37 | 風火家人(ふうかかじん) | ☴ 巽 | ☲ 離 |
| 38 | 火沢睽(かたくけい) | ☲ 離 | ☱ 兌 |
| 39 | 水山蹇(すいざんけん) | ☵ 坎 | ☶ 艮 |
| 40 | 雷水解(らいすいかい) | ☳ 震 | ☵ 坎 |
| 41 | 山沢損(さんたくそん) | ☶ 艮 | ☱ 兌 |
| 42 | 風雷益(ふうらいえき) | ☴ 巽 | ☳ 震 |
| 43 | 沢天夬(たくてんかい) | ☱ 兌 | ☰ 乾 |
| 44 | 天風姤(てんぷうこう) | ☰ 乾 | ☴ 巽 |
| 45 | 沢地萃(たくちすい) | ☱ 兌 | ☷ 坤 |
| 46 | 地風升(ちふうしょう) | ☷ 坤 | ☴ 巽 |
| 47 | 沢水困(たくすいこん) | ☱ 兌 | ☵ 坎 |
| 48 | 水風井(すいふうせい) | ☵ 坎 | ☴ 巽 |
| 49 | 沢火革(たくかかく) | ☱ 兌 | ☲ 離 |
| 50 | 火風鼎(はふうてい) | ☲ 離 | ☴ 巽 |
| 51 | 震為雷(しんいらい) | ☳ 震 | ☳ 震 |
| 52 | 艮為山(ごんいさん) | ☶ 艮 | ☶ 艮 |
| 53 | 風山漸(ふうさんぜん) | ☴ 巽 | ☶ 艮 |
| 54 | 雷沢帰妹(らいたくきまい) | ☳ 震 | ☱ 兌 |
| 55 | 雷火豊(らいかほう) | ☳ 震 | ☲ 離 |
| 56 | 火山旅(かざんりょ) | ☲ 離 | ☶ 艮 |
| 57 | 巽為風(そんいふう) | ☴ 巽 | ☴ 巽 |
| 58 | 兌為沢(だいたく) | ☱ 兌 | ☱ 兌 |
| 59 | 風水渙(ふうすいかん) | ☴ 巽 | ☵ 坎 |
| 60 | 水沢節(すいたくせつ) | ☵ 坎 | ☱ 兌 |
| 61 | 風沢中孚(ふうたくちゅうふ) | ☴ 巽 | ☱ 兌 |
| 62 | 雷山小過(らいざんしょうか) | ☳ 震 | ☶ 艮 |
| 63 | 水火既済(すいかきせい) | ☵ 坎 | ☲ 離 |
| 64 | 火水未済(かすいびせい) | ☲ 離 | ☵ 坎 |

